名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(48)は大宮戦の敗戦(1−2)から一夜明けた11日、緊急ミーティングを開き、直近の鳥栖戦(13日・瑞穂陸)と大分戦(17日・大銀ド)での勝ち点6奪取を選手に厳命した。現在13位のグランパスにとって15位鳥栖と18位大分はJ1残留を争うライバル。是が非でも直接対決を制し、安全圏を確保する。
痛恨の逆転負けを受け、ストイコビッチ監督は名古屋に戻ると早速動いた。練習前に選手を呼び集め、懇々と語りかけた。ときに激しいジェスチャーを交え、ときに語気を強める。炎天下での緊急ミーティングは約20分にわたった。
締めくくりにピクシーはこう語った。「次の鳥栖戦と大分戦では絶対勝ち点6を取るぞ。美しいサッカーじゃなくてもいい。内容は問わない。とにかく2つ勝つんだ」。次の2試合でなりふり構わず連勝を狙うと感情をあらわにした。
現状ではグランパスと降格圏内の16位・磐田との勝ち点差はわずか4。同じく下位に沈む鳥栖、大分戦で勝ち点を落とせば本格的に残留争いに巻き込まれてしまう。指揮官がこの2戦をJ1残留へのヤマ場と位置づけるのは道理だ。
いかにして2つ勝つか。ピクシーは大宮戦の敗因を徹底的に洗い直した。追いつかれた後半17分のシーンでは、リードしている状況で藤本が急いでスローインを入れる必要はなかったと分析。カウンターを招くパスミスを犯した田口や、決定機を外した小川には個別にアドバイスを施した。
藤本は「自分も監督も勝ちたいという思いは一緒。同じ失敗をしないように改善したい。力を合わせて次の2戦、勝ち点6を取りにいく」と意気込みを新たにした。
大宮に敗れたとはいえ、敵地で首位を苦しめたのも事実。悲観的になる必要はない。ピクシーのカツがチーム全体に波及すれば、鳥栖、大分戦でノルマの連勝は十分達成できる。 (木村尚公)
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