大谷　練習中の打球直撃　右頬骨の不全骨折

　日本ハムの二刀流ルーキー・大谷翔平投手（１９）が、１１日の楽天戦（Ｋスタ宮城）の試合前の練習中、打球を顔に受けて病院に直行。検査の結果、右頬骨（きょうこつ）の不全骨折と診断され、同日の試合を欠場した。栗山英樹監督（５２）は、大谷のオールスター戦出場に慎重な姿勢を見せた。

　歓喜の翌日に悲劇が待っていた。アクシデントはチームの先輩、二岡の打撃練習中に起こった。外野の右中間あたりを歩いていた大谷の右耳付近に打球が直撃。大谷は患部を押さえ、歩いてベンチへ引き上げてきた。

　そのまま仙台市内の病院へ直行。報道陣にはノーコメントだったが、球団関係者に「ズキズキします」と語っていたという。試合前、阿井ヘッドコーチも「ちょっと痛いです、と言っていた」と話したが、硬いボールがぶつかっただけにただでは済まなかった。

　病院でＣＴスキャンなどの検査を受け、「右頬骨（きょうこつ）不全骨折」が判明。そのまま宿舎に戻って静養した。不全骨折とはいわゆるひびが入った状態。球団関係者は「骨は３〜４週間でくっつく。３日間安静にした後、痛みなど経過を見て出場可能となる見込みです」と説明した。

　１０日の楽天戦で本塁打を含む２安打を放ち、一夜明けたこの日はブルペンに入り、投手としての調整。これを終え、野手としての試合出場に備えていたところでの負傷だった。１９日からはオールスター戦。栗山監督は「ファンの声が強いから、１イニングくらいは投げさせようと思う」と、１９日の第１戦（札幌ドーム）で登板させるプランを披露していたが、もうそれどころではない。

　「打球に当たるような練習のシステムにした俺が一番悪い。本人にはもちろん、ファンにも申し訳ない」と栗山監督。ファン投票でオールスターに選出された大谷は、出場できなければ自動的に後半戦開幕から１０日間、試合に出場できなくなる。球団では抹消せずに様子を見る方針だが、指揮官は「休ませないといけないなら休ませる。将来の方が大事。もしかしたら辞退かもしれない」と、慎重姿勢を崩さなかった。

　投手と野手の両方で出場した高卒新人選手として、史上初めての本塁打を放った翌日のアクシデント。才能あふれる１９歳に試練が訪れた。