【後藤洋平】放射線影響研究所(広島市、長崎市)は、健康状態などを追跡調査している広島と長崎の被爆者計9万4千人について、原爆投下時にいた場所や浴びた放射線量の推定値について、最新技術で修正したと発表した。
放影研は1950年代から60年代にかけ、被爆者から投下時の場所を聞き取って地図化した資料を作成。建物などの影響も加味して爆発直後の初期放射線について、調査対象者ごとに推定値を算出した。2007年からは、記録を再確認し、地図を補正する作業を進めていた。
修正の結果、広島の調査対象者(6万2千人)の場合、爆心地からの距離が平均で0・7メートル遠ざかった。長崎の調査対象者(3万2千人)では11・4メートル近づいた。データを見直した結果、被爆した場所が約800メートル〜約1キロ変わった人もいたという。放影研の担当者は「少数ながら入力ミスが見つかった」と説明している。