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参院選青森選挙区 割れる農協グループ

公示日の4日、早速「農協票」を取り込もうと、青森市の県農協ビル前で支持を訴える候補者

 参院選青森選挙区(改選数1)で、県内最大の組織票を持つ農協グループが割れている。県内10農協の組合長らでつくる県農協農政対策委員会は、環太平洋連携協定(TPP)に反対する非自民3候補を推薦したが、八戸など2農協は与党への配慮から、自民党候補にも推薦状を出した。かつて一枚岩を誇った結束力は、組織の退潮傾向と相まって陰りが見えている。

 対策委員会委員長を務める岡山時夫県農協中央会長は、反TPP集会や記者会見で「言っていることと、やっていることが全く違う」「うそつき」「民主党以下だ」などと、厳しい自民批判を繰り返してきた。
 背景にあるのは昨年12月の衆院選。同委員会はTPP反対を基準に自民、共産、未来の公認候補を推薦したが、自民政権誕生後、安倍晋三首相はTPP交渉参加を表明。自民への不信感が一気に高まった。
 今回の参院選で、委員会は生活現職の平山幸司氏(43)、無所属新人の工藤信氏(59)、共産新人の吉俣洋氏(39)の推薦を決定。岡山会長は「TPPへの参加は断固阻止する。私たちの政策に賛同する候補者を選んだ」と強調した。
 自民新人の滝沢求氏(54)の陣営は、委員会の強硬姿勢から、推薦獲得は困難とみて、公式に要請もしなかった。
 委員会が反自民を鮮明に打ち出したのとは対照的に、八戸農協(八戸市)と津軽みらい農協(平川市)は委員会が推薦した3候補と併せ、滝沢氏も推薦した。
 八戸農協幹部は「与党とのつながりを保つことを重視した。TPPの交渉入りを止められなかった以上、参院選は臨機応変に対応すべきだ」と主張する。
 岡山会長は、2農協に対して「各農協には、これまでの自民との関係がある。推薦する理由も分からなくはない」と一定の理解を示す。
 農協グループは1989年の参院選青森選挙区で、反核燃と農民代表を掲げて無所属で立候補した三上隆雄氏(79)を当選させるなど、高い集票力を誇っていた。現在の組合員は約10万人。県内最大の組織票とされるが、組合員数は減少の一途をたどっている。
 三上氏は「農業の衰退が、政治力低下に結びついている。TPP問題が争点となる今回の選挙こそ、団結して政治力を示す時だが、発揮できていない」と求心力の低下を危惧している。

<青森選挙区立候補者(1−6)>

石田 昭弘 54 宗教法人職員 諸 新 
波多野里奈 40 会社社長   み 新 
滝沢  求 54 元県議    自 新 (公推)
平山 幸司 43 党県連代表  生 現(1)(社推、ミ支)
工藤  信 59 農業団体役員 無 新 (民推)
吉俣  洋 39 党県書記長  共 新 


2013年07月12日金曜日


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