9万人の被爆地点修正=地図見直し精査―広島・長崎
時事通信 7月12日(金)1時16分配信
原爆投下が人体に与えた影響などを調査している日米共同研究機関「放射線影響研究所」(放影研)は12日、広島、長崎の被爆者計9万3741人が被爆した地点のデータを修正したと発表した。
放影研は、追跡調査してきた広島の被爆者6万1984人と、長崎の被爆者3万1757人の被爆地点を精査。広島は平均0.7メートル爆心地に近づき、長崎は同11.4メートル爆心地から離れた。
修正したデータを基に、一般の人が一定量の放射線を受けた場合がんになる確率を計算し直したところ、これまでとほぼ変わらなかったという。
調査対象者の被爆地点はこれまで、本人からの聞き取りを基に、米軍が戦時中に作製した地図を使って特定していた。しかし、この地図が不正確だったことなどが判明。航空写真を使って地図を修正するなど、2007年から被爆地点をより正確に把握する作業を続けていた。
放影研の大久保利晃理事長は「被爆位置の精緻化により、放射線被ばくとがんの関係がより正確に推定できるようになる」と話している。
最終更新:7月12日(金)2時21分