津波から完全復興…今過疎の波 北海道南西沖地震20年
朝日新聞デジタル 7月11日(木)21時44分配信
【植村隆】死者・行方不明者230人が出た北海道南西沖地震から、12日で20年を迎える。津波に襲われ、198人が犠牲になった北海道・奥尻島(奥尻町)には、巨額の復興資金や義援金が投じられて防災施設が整えられたが、過疎に直面している。
【写真】北海道南西沖地震の津波と火災で壊滅的な被害を受けた奥尻島の青苗地区=1993年撮影
町の被害総額は約664億円で、投入された復興事業費は約764億円。別に義援金約190億円が寄せられた。総延長約14キロの防潮堤が築かれ、漁港には海面からの高さが8メートルある人工地盤「望海橋(ぼうかいきょう)」が設けられた。津波の際に約2300人が避難できる。住民の高台移転も実現し、発生から5年後、町は「完全復興」を宣言した。
しかし、人口は地震前から4割近く減り、3千人を切った。主産業の漁業も資源回復がなかなか進まず、高齢化や後継者難もあって漁協組合員は400人から半減。東日本大震災の被災地から視察が相次ぐが、寂れように驚きの声が漏れる。
町は12日、追悼式を町立青苗中学校体育会で開く。
朝日新聞社
最終更新:7月11日(木)22時13分
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