【今日のチャート】正常化は第1段階-対ドル120円まで円安へ
7月11日(ブルームバーグ):円は対ドルで11日午後の水準からさらに18%下落する可能性があると、クレディ・スイス・グループはみている。日本銀行のマネタリーベース拡大の取り組みが投資資金の海外流出を促すとみられるためだ。
クレディ・スイスの通貨戦略世界責任者のレイ・ファリス氏は、昨年11月半ばから今までの円の対ドル20%下落は「正常化」の第1段階だと言う。正常化は今後1年でドル・円相場が1ドル=120円に達するまで続くと同氏は予想した。
今日のチャートはドル・円相場の推移(黄色)。青い線は1990-2008年までの平均(116円60銭)。これは世界的な金融危機や11年の東日本大震災が質への逃避を促し円がドルに対して戦後最高値を付ける前の時期だ。
ファリス氏は電子メールで質問に答え、「過去のバリュエーションから見て円はまだまだ安くなる余地がある」と指摘。日銀が緩和を続ける一方で米金融当局が緩和縮小に近づく中で、「日銀政策の円相場に対する影響が増幅されるだろう」と解説した。
日銀はこの日、政策方針の現状維持を決定、「マネタリーベースが年間約60兆-70兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う」方針を据え置いた。ファリス氏は、日銀が最終的には2%のインフレ率目標を達成するために刺激措置を拡大する可能性があるとし、日銀の資産購入は日本の投資家を「ゆっくりとした段階的なプロセス」で代替投資先へと追いやるだろうと記述した。
財務省が11日公表したデータによると、日本の投資家は7月第1週に海外の公社債等を9731億円買い越し た。それまでは7週連続売り越していた。
ブルームバーグ・ニュースがまとめた2014年4-6月(第2四半期)についての円相場予想で、クレディ・スイスの120円は円に対して3番目に弱気。中央値は109円。13年末は105円と予想されている。日本時間11日午後2時30現在は98円51銭。
原題:Yen to Drop 18% as BOJ Spurs ‘Normalization’: Chart of theDay(抜粋)
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更新日時: 2013/07/11 16:45 JST