シドニー外為・債券市場=豪ドルが一時急伸、米FRB議長のハト派的発言で
[ウェリントン 11日 ロイター] - 11日昼のオセアニア外国為替市場では、豪ドルが対米ドルで2週間ぶり高値まで急上昇した。米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長のハト派的な発言が米ドル売りを誘った。市場は同議長の発言を受けて、FRBが早ければ9月にも量的緩和縮小に踏み切るとの観測を再考した。
豪ドル はアジア市場序盤の取引で、6月下旬以来の高値となる1豪ドル=0.9300米ドルまで上昇。6月の豪雇用統計で失業率が悪化した半面、就業者数が予想外に増加したことも豪ドル高につながった。
バーナンキ議長が、インフレ率が低くあり続ける限りは、緩和的な金融政策を続けると述べたことを受け、投資家は急いで豪ドルのショートポジション(売り持ち)をカバー(買い戻し)した。
0455GMT(日本時間午後1時55分)時点で、1豪ドル=0.9287米ドル近辺で推移している。
豪ドルの下値支持線は21日移動平均の0.9268米ドル。上値抵抗線は6月下旬に付けた高値の0.9345米ドル付近。下値支持線は0.9036米ドル。
バークレイズ・キャピタル(シンガポール)の通貨ストラテジスト、ハミシュ・ペッパー氏は「6月にFRBから聞かされたことよりもタカ派的な発言が、少なくとも(連邦公開市場委員会=FOMC)議事要旨では聞けるはずだと市場は相当確信していた」と指摘。「そうならなかったため、投資家は米ドルの買い持ちポジションを巻き戻し、豪ドルなど、投資家が売りポジションを最も強く築いていた通貨が一番恩恵を受けた」と述べた。
ニュージーランド(NZ)ドル も米ドル売りに伴い、3週間ぶり高値となる1NZドル=0.7960米ドルまで上昇。その後、0.7924米ドルまで上げ幅を削った。
一方、両通貨はユーロと円に対しては守勢だった。ユーロと円も米ドルに対して大幅に上昇したため。
バーナンキ議長発言に伴う米国債相場の上伸に追随し、豪債券先物は値上がりした。3年債先物 は0.060ポイント高の97.290、10年債先物 は0.075ポイント高の96.225となった。
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90年代日本との類似点多く
債務処理に依然あえいでいるユーロ圏は、資産バブルの崩壊後、景気後退に苦しんだ90年代の日本と日増しに似てきている。
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