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科学
降圧剤の臨床データ、人為操作を確認 京都府立医大が謝罪 製薬会社に有利な結果
2013.7.12 00:34
高血圧治療薬「バルサルタン」(商品名・ディオバン)を使って京都府立医大の松原弘明元教授(56)らが行った臨床研究について、データに問題がなかったか検証している府立医大は11日、論文に使われた解析データが人為的に操作され、バルサルタンに有利な結果が出ていたとの調査結果を発表した。
調査では、臨床研究で対象にした約3千件の症例のうち223件のカルテを確認。論文のもとになったデータと比較したところ、カルテに記載がなかった病気が論文データでは存在するなどの不一致が34件あった。バルサルタンを使った場合、他の降圧剤に比べ脳疾患や心臓病のリスクが減ると結論付けられていたが、正しいデータを使った検証ではこうした結果は得られなかったという。
会見した府立医大の吉川敏一学長は「ご迷惑とご心配をおかけし、おわびする」と謝罪した。
松原元教授は今年2月、辞職。販売元の製薬会社「ノバルティスファーマ」(本社・スイス)の日本法人社員(当時)が肩書を明示せず、研究に関与していたが、府立医大は「誰がデータを操作したのか、意図的だったかどうかは分からない」としている。
この研究では、国内外の学術誌が論文6本を「データに問題がある」などとして掲載を撤回。府立医大のほか4大学でも同様の研究が行われ、同じ元社員が関わっていたことが判明しており、各大学が調査している。
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