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2013/6/19(水)
四日市 豪記念館の存続危機 受取先見つからず
【オーストラリア記念館=四日市市羽津甲で】
【四日市】昭和四十五年の大阪万博で展示された「オーストラリア記念館」(四日市市羽津甲)を運営する財団法人が、今年十一月末の解散を前提に施設の受取先を探している。出資団体の県や四日市港管理組合などは、既に財団法人からの打診を断り、市も十八日の市議会で「受け取りは困難」との立場を示した。このまま受取先が見つからなければ、取り壊しは避けられない。
記念館は、昭和四十三年に姉妹港提携を結んだ四日市港とシドニー港の友好関係を理由に万博後の同四十八年に四日市に移築され、県などが出資する財団法人「日本万国博オーストラリア記念館」が運営している。
ピークの平成十八年度には、年間約二万九千人が訪れたが、来館者数は年々減少し、二十三年度は約六千六百人に。十九年度からの赤字収支と専属職員がいないことから、国の制度改革で義務付けられた公益財団法人や一般財団法人への移行は困難な見通しで、解散は避けられない状況になっている。
十八日の市議会産業生活常任委で市は、受け取った場合の想定として、耐震補強や老朽化対応で約一億一千万円の負担が必要となるほか、毎年の運営費に約三百万円の持ち出しが発生すると説明し、「厳しい財政状況から受け取りは困難」と述べた。
この日は、施設の希少価値などを主張する一部の委員から「今すぐ方針転換すべき」と迫られ、結論は先送りとなった。しかし、将来的な取り壊し費用の負担もあり、市は受け取りに難色を示している。
記念館には、平成十七年の愛知万博に出展された巨大なカモノハシが展示されている。記念館の女性係員は「四日市にはシンボル的なものがほかにないので、なくなってしまうのはさみしい。何とか残す方法を検討してほしい」と存続の危機に不安を募らせている。
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