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薬効のデータに“操作の疑い”
7月11日 21時27分

大手製薬会社「ノバルティスファーマ」の高血圧の薬の効果を調べた複数の大学の臨床研究に、この会社の社員が関与し、薬の効果に疑問が投げかけられていた問題で、京都府立医科大学の調査委員会は、データに何らかの操作があった疑いがあるとしたうえで、ほかの薬より脳卒中や狭心症を減らせるとした臨床研究の論文の結論には誤りがあった可能性が高いとする調査結果を発表しました。

この問題は、ノバルティスファーマが販売する高血圧の治療薬「ディオバン」の効果を調べた京都府立医科大学などの臨床研究にこの会社の当時の社員が関与し、データの解析などを担当していたもので、「他の薬より脳卒中などのリスクを下げる効果が高い」などとした論文が発表され、薬の販売促進に使われていました。
これについて京都府立医科大学の調査委員会は、11日夜、患者のカルテに書かれた情報と論文作成に使われたとされる解析データに食い違いがあり、データに何らかの操作があった疑いがあるとしたうえで、ほかの薬より脳卒中や狭心症を減らせるとした結論には誤りがあった可能性が高いとする調査結果を発表しました。
ノバルティスファーマは、この臨床研究の結果を、薬の販売促進などに使っていて、ディオバンは、年間1000億円以上を売り上げる商品になっていました。
これについて厚生労働省の治験推進室は「京都府立医科大学の発表は、臨床研究のデータを操作したことが強く示唆される内容で、このようなことが起きたのは非常に遺憾だ。今後については、京都府立医科大学以外に同様の臨床研究が行われた4つの大学の調査結果などを踏まえたうえで対応を検討したい」と話しています。
京都府立医科大学の調査結果について、ノバルティスファーマは「大学の報告からは、臨床研究の際の外部の委員会の判定記録との照合結果が示されていないので、恣意的なデータの操作があったとは確認できない。大学関係者の方々や患者様に対して、ご心配をおかけしていますことを申し訳なく思っています。今回、京都府立医科大学の報告においても、ディオバンの降圧効果に問題がないことが確認されました」とするコメントを発表しました。

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