高濃度の汚染水 海に拡散か7月10日 17時10分
東京電力福島第一原子力発電所の海に近い井戸の地下水で放射性物質が高い濃度で検出されている問題で、原子力規制委員会は「高濃度の汚染水が海へ広がっていることが強く疑われる」という見解を示し、専門家も参加したワーキンググループを立ち上げ、原因を究明し対策を検討することになりました。
福島第一原発では、ことし5月以降、海に近い観測用井戸の地下水から放射性物質が高い濃度で検出され、2号機近くで新たに掘った井戸では、採取した水に含まれる放射性のセシウム137の濃度が9日、1リットル当たり2万2000ベクレルと、4日間で100倍余りに上昇しています。
東京電力は、事故直後のおととし4月に2号機の近くで海に流れ出た高濃度の汚染水が地面にしみ込み検出された可能性があると説明していましたが、原子力規制委員会は、10日の会合で、土に吸着されやすいセシウムが3号機や4号機近くの井戸でも検出されているとして、おととしの汚染水だけを理由とするのは疑問があるとしました。
そのうえで、放射性物質が港で採取した海水からも高い値で検出されているとして、「高濃度の汚染水が地中に漏れ出したうえで、海へ広がっていることが強く疑われる」という見解を示し、近く専門家も参加したワーキンググループを立ち上げ、原因究明や対策を検討することになりました。
規制委員会の田中委員長は、記者会見で、「原因を突きとめないと適切な対策ができない。最優先で対策を立てるために、専門的な検討を重ねていく必要がある」と述べました。
東京電力は「規制委員会の指摘に対し今後、真摯に対応したい」と話しています。
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