【北京=大越匡洋】中国税関総署が10日発表した6月の貿易統計によると、輸出額は前年同月比3.1%減と17カ月ぶりにマイナスに陥った。外需の伸び悩みや人民元相場の上昇などを受けて、輸出の落ち込みが鮮明になった。輸入も0.7%減と、2カ月連続の減少となっており、中国経済の内需の勢いの乏しさも浮き彫りになっている。
6月の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は271億3千万ドル(約2兆7400億円)の黒字となった。黒字は3カ月連続。6月の輸出入を合わせた貿易総額は前年同月比2%減だった。
中国の貿易総額は1~3月期に前年同期比13%増だったが、4~6月期は4.3%増にとどまった。特に6月は輸出が前年同月に比べ減少に転じた。輸出減は2012年1月以来だが、春節(旧正月)の要因で落ち込んだことを勘案すれば、実質的には09年11月以来、3年7カ月ぶりとなる。
今年に入り、貿易取引を装って投機資金を国内に持ち込む「水増し輸出」が横行し、4月まで中国の輸出は2けたの伸びを示した。ただ当局が取り締まりに動くとこうした水増し分がはげ落ち、5月は1%増に鈍化。欧州景気の後退など世界経済の回復の足どりの重さも響き、中国の輸出にブレーキがかかった。
1~6月の貿易総額を主要地域別にみると、日中貿易は前年同期比9.3%減と縮小傾向が依然として続いている。欧州連合(EU)との貿易総額も3.1%減に低迷した。一方、米国との貿易は5.6%増。東南アジア諸国連合(ASEAN)向けは12.2%増と比較的堅調を保っている。
税関総署は「人民元高や人件費上昇など輸出企業のコスト増が続いているほか、貿易摩擦も頻発している」と、厳しい貿易環境が続くとの見通しを示した。
外需落ち込み受け
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