日本株反落、金融や非鉄安い-過熱、日米日程待ち午後弱含む
7月10日(ブルームバーグ):東京株式相場は反落。テクニカル指標の過熱感、日米のイベントを控え買い見送りムードが強い中、為替の円高推移、中国貿易統計の低調などを背景に午後の取引で下落基調となった。業種別では、その他金融や証券など金融株の一部、不動産や倉庫、非鉄金属株が安い。
TOPIX の終値は前日比1.69ポイント(0.1%)安の1195.20、日経平均株価 は56円30銭(0.4%)安の1万4416円60銭。日経平均は一時5月29日以来、1万4500円台に乗せる場面があった。
三菱UFJ投信の宮崎高志戦略運用部長は、「きょうの下げはテクニカル要因が大きい。短期的に上昇ピッチが速かった。過熱感がある中、小休止に入った格好だ」と言う。また中国経済について、「これまでの2けた成長から、7%程度の成長に向けたソフトランディングの過程にある」とし、楽観的になり過ぎるのは良くないが、現状は過去の政権が残したひずみが表面化しやすい時期で、「マーケットは若干、悲観シナリオを見過ぎている」と話していた。
日経平均は、先月13日の取引時間中に1万2415円の直近安値を付けた後から反発し、前日9日終値まで2000円超戻した。短期間での急ピッチな上昇で、投資家の短期売買コストを示す25日移動平均線からの上方乖離(かいり)率は9日時点で8.2%と、目先過熱を示す5%を大きく上回る。さらに、丸三証券の牛尾貴投資情報部長によると、10-11日に開催される日本銀行の金融政策決定会合、きょうの米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の講演を控え、買いが入りにくかった面もあるという。
午前は前日の米国株高、国際通貨基金(IMF)による日本経済成長率予想の上方修正などが支え、日経平均は小幅なプラスで終えたが、上値を買う材料に乏しい中で午後後半にかけ売り圧力に押された。
円高推移、中国統計も響く午後の東京外国為替市場のドル・円相場は一時1ドル=100円29銭、ユーロ・円は1ユーロ==128円22銭と朝方の101円台前半、129円台前半からそれぞれ円高方向に振れた。
また、中国の税関総署が10日に発表した6月の貿易統計では、輸出が前年同月比3.1%減。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は3.7%増だった。輸入は同0.7%減。予想中央値は6.0%増で、5月の0.3%減に続くマイナスとなった。貿易の伸びは、政府が掲げることしの目標である8%を下回る。
東証1部33業種では非鉄、不動産、その他金融、証券・商品先物取引、金属製品、倉庫・運輸関連、ガラス・土石製品、サービス、海運、電機など22業種が下落。売買代金上位ではアイフル、富士重工業、ファーストリテイリング、SBIホールディングス、ケネディクス、三菱地所、東芝、日立製作所などが安い。
半面、ゴム製品、パルプ・紙、小売、空運、鉄鋼、情報・通信など11業種が上昇。個別ではサントリー食品インターナショナル、KDDI、ブリヂストンなどのほか、MUTOHホールディングス、群栄化学工業、丸栄といった中低位材料株が高かった。
東証1部の売買高は概算で27億8293万株、売買代金は2兆2886億円。騰落銘柄数は下落が880、上昇693。
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更新日時: 2013/07/10 15:48 JST