Updated: Tokyo  2013/07/10 18:32  |  New York  2013/07/10 05:32  |  London  2013/07/10 10:32
 

【個別銘柄】富士通や住友林安い、ローランドDG急伸、IPO人気

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  7月10日(ブルームバーグ):きょうの日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は以下の通り。

富士通 (6702):前日比3.3%安の411円。シティグループ証券では投資判断を「買い」から「中立」へ引き下げた。携帯電話事業劣化の懸念が強まっている上、さらなる円安がパソコン事業や英年金基金拠出に悪影響を与えるという根の深い問題があると分析した。半導体事業の利益悪化も不安要因としている。

住友林業 (1911):4.8%安の1218円。海外市場で年限5年の転換社債(CB)を発行することを発表。発行額は200億円で、社債の償還資金や設備投資資金などに充当する。今回のファイナンスに伴う発行済み株式総数に対する潜在株式数の比率は6.03%で、1株利益の希薄化や株式需給悪化への懸念が高まった。

ローランド ディー.ジー. (6789):500円(17%)高の3385円とストップ高。みずほ証券は業績予想を増額修正し、投資判断を「アンダーパフォーム」から「中立」へ引き上げた。新製品大型プリンターと既存製品のカニバリゼーション(共食い)を懸念しアンダーパフォームとしていたが、新製品の販売状況はその懸念を払しょくするほど好調に推移していると指摘。カタリスト(触媒)として、3Dプリンター市場への参入公表を挙げた。

ダイセキ環境ソリューション (1712):12%高の16万7100円。14年2月期営業利益予想を前期比24%増の7億3200万円へ増額修正した。従来予想は6億6200万円だった。首都圏を中心に不動産の動きが活発化してきたことや前倒しに進行した受注案件から、第1四半期の業績が順調に推移したことが要因。

サイゼリヤ (7581):3.1%安の1293円。12年9月-13年5月営業利益は前年同期比22%減の54億円だったと発表した。野村証券では、四半期ベースの3-5月決算では円安影響や労務費増加で営業利益は会社計画を約6億円下回ったとし、既存店売上高は前年同期比98.5%と上期と同程度で推移しているものの、まだ底打ちや反転を見通す水準ではないと分析した。

ミライアル (4238):3.5%安の1620円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資判断を「アウトパフォーム」から「中立」に引き下げた。主力の半導体ウエハー出荷容器FOSBの販売動向が低調、シェア低下の影響がより厳しいと指摘。14年1月期の営業利益予想を22億円から13億円(会社計画16億円)、来期を25億円から15億円に減額した。目標株価は2117円から1695円に引き下げ。

TOTO (5332):1.5%安の1023円。クレディ・スイス証券では投資判断を「アウトパフォーム」から「中立」に引き下げた。中国での業況悪化を懸念し、15年3月期の営業利益予想を343億円から326億円に下方修正した。31日発表の4-6月決算では堅調な業績を確認しようが、その後は利益確定売りで株価が下落すると想定した。

サンリオ (8136):3.1%高の5050円。メリルリンチ日本証券では目標株価を4000円から5500円に引き上げた。グローバル展開の加速や新興国でのライセンス拡大、コンセンサスを超える利益拡大・還元強化を修正の理由に挙げた。投資判断は「買い」継続。

イオン (8267):1.4%高の1398円。3-5月期営業利益は前年同期比9.8%増の347億円となった。新規出店やプライベートブランド(PB)商品強化などで主力のGMS事業が好調に推移したことなどが要因。クレディ・スイス証券では、同証券予想330億円前後を上回って着地したとし、株価への影響はややポジティブと指摘した。投資判断は「アウトパフォーム」継続。

日立造船 (7004):2%高の153円。シェールガスの増産を受けて建設が相次ぐ大型化学プラントの中核設備である圧力容器を増産する、と10日付の日本経済新聞朝刊が報じた。インドの合弁工場で、来年夏までに生産能力を約6割増やすとしている。

月島機械 (6332):11%高の1080円。いちよし経済研究所では、レーティングを新規「A(買い)」とした。東南アジアの産業インフラ整備の進行と円高修正で受注が好調との見方を示した。フェアバリューは1500円に設定。

田辺三菱製薬 (4508):2.1%高の1381円。野村証券では投資判断を「中立」から「買い」へ引き上げた。糖尿病治療薬「Invokana」の米国売り上げの拡大を見込むことが理由。初期浸透が好調であり、体重減少も示す糖尿病治療薬として代謝性疾患治療薬の主力製剤になると見込んでいるという。

フォトクリエイト (6075):東証マザーズ市場に10日、新規株式公開(IPO)した。公開価格1670円に対して気配値を切り上げる展開となり、3845円買い気配のまま初日の取引を終えた。マラソン大会や結婚式などのイベントに公式写真サービス事業者として参加し、カメラマンが撮影した個人写真をインターネットで販売する。

夢展望 (3185):衣料品ネット販売の同社は東証マザーズ市場に新規上場した。初値は公開価格(2600円)比2倍の5210円。終値は4340円。10代後半から20代前半の女性をメインターゲットとし、安価で流行に対応した衣料品を提供、ファッションに敏感な層に特化して業績が好調であることが評価された。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Nick Gentle ngentle2@bloomberg.net

更新日時: 2013/07/10 15:31 JST

 
 
 
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