歯科麻酔医として・・・
昨年10月に、勤務していた藤枝市立総合病院を退職しました。理由は歯科界を騒がせたインプラント不正請求問題と三井記念病院の歯科医師の麻酔研修がらみで厚労省が新しい見解を示したためです。
おそらく多くの方は、このページにたどり着くことがないと思われるので正直にすべて公表します。
私は10年前、歯科の口腔外科研修医(無給)として藤枝市立総合病院で働きだしました。最初の一年間は某歯科医院でのアルバイト(週2回)と病院での勤務。2年目は形成外科、麻酔科にもローテイトさせてもらい満足のいく研修生活だったと思います。2年目からは医科の研修医と同じように心ばかりのお給料をいただくことが出来ました。
三年目に部長から将来の意向を確認されたときに、麻酔科の研修を受けたい旨申し出ました。理由は同期で研修に来た医師と話すときに、自分の医学的な知識がまったくといっていいほどお粗末なものだったからです。大学時代は歯科という医療の一分野を担う立派な歯科医師になるんだという気持ちを持っていました。しかし現実は大学で勉強した医学知識は素人に毛が生えた程度のものであり、大学で教わった合併症への対応はすべて机上の理論であり無意味なものだったからです。
その後8年間麻酔科(研修医~専修医)にお世話になり、歯科麻酔学会認定医も所得できました。麻酔研修中は非常に貴重な経験をさせてもらいました。小児外科から心臓呼吸器外科に至るまですべての麻酔を指導医の下でありましたが一人で管理できるまでになりました。そして一昨年、歯科口腔外科の正規職員に採用されたところでした。
すっかり麻酔にも慣れて、歯科口腔外科医として麻酔を続けながら、このまま病院のスタッフとして一生を終えてもいいと考えていました。そんな時例の事件が起きました。
6月にはすでに時機を見て退職するように勧告がありました。歯科が閉鎖されれば当然自分の居場所もなくなります。すぐに退職しようと思ったのですが、上からの意向で9月までは辞めるなといわれたので、その間に次の人生設計を考えましたが、結局結論はでませんでした。
10月に退職して、一時期フリーの歯科麻酔医として生計を立てようと思いました。インプラント手術の鎮静をかけながら、たくさんの歯科医院を見学させてもらいました。その時やっぱり歯科医師免許を持ってるからには、患者さんと向き合って治療がしたいと思い、歯科治療の研修を再び一から始める決意をしました。しかし悲しいかな年齢はごまかせません。家族も他の家庭より多いですので、それなりの覚悟でいました。
現在はまるやま歯科というところで勤務させていただいてます。院長がとても人格者で、私の現状を理解してくれ、かつ出張歯科麻酔の業務も続けていいといってくれたのでお世話になることにしました。
これからは歯科の治療に関する疑問や気づいたこと、出張麻酔での出来事なんかを綴っていきたいと思います。
出張で静脈内鎮静しますので、興味のある方はご連絡ください。(歯科医師限定)
出張可能なのは第1,2,3月曜日、第1,2,4木曜日です。
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