PDFのプロパティでは、作成日2011/5/6。この地図を引用したサイトには、5/10に公表の記述がある。、
ヨウ素131の表面沈着量(平成23年3月25日0時現在)積算値。関東地方の階層区分をはっきりさせるため色相を変えてある。
拡大図
南から見ていこう。相模原、町田から厚木、平塚に至る神奈川県中部が高い。横浜市の西部は、2013/1の死亡数の前年同月比が高くなっているところが多い。ヨウ素に関しては、埼玉県中部、東京都西部、神奈川県中部の汚染が激しかった。早い時期に東京都西部、神奈川県中部から健康被害の情報が出始めたのはこのためだ。
埼玉県は個別情報は多くなかったが、本庄市の南にある寄居町の2010/12から3ヶ月間の死亡者数合計と2011/12から3ヶ月間の死亡者数の合計を比較すると、1.45倍となり、これを取り上げた記事のアクセスが多かった。
次の図は、この記事に掲げたものだが、上の沈着図の埼玉県分と比較するとしっかり照応していることに驚く。
早い時点での突然死などの健康被害は、このヨウ素131の表面沈着量マップで説明できるところが大きい。
東京都は、汚染の強いところが西部と東部とに二分されており、3/15と3/21の二回にわたるプルームの襲来が原因となったようにも見えるが、千葉県の柏市では相対的にヨウ素の表面沈着量が多くないところを見ると、そうではなく、どちらも3/15のプルームによる沈着のようだ。
この日、北から下りてきたプルームが東風で西に吹き寄せられており、微妙気象条件によるものとも見られるし、プルームの本流の部分はあまり沈着せず、傍流の部分が乾式沈着したと見るべきかもしれない。
多摩地域の健康被害は強く出ている。特別区は、東部のほか港、品川、大田区で高い。
埼玉県も東西に分かれた。西部は比企丘陵が高い。東松山や坂戸、狭山、所沢は時々人口自然増変化指数が悪化しており、西部の汚染がその原因だ。東部は千葉県、茨城県に接するところが高い。さいたま市は、プルームの本流が通過し、なおかつ沈着も強い。
渡良瀬遊水地の周辺も高い。栃木県は、県南の人口稠密地帯で人口自然増変化指数が悪い。
千葉県の東葛飾地域は、3/15にプルームが通過した野田市を除き、ヨウ素の沈着は相対的には低いことが分かる。東葛飾地域が当初からホットスポットとして注目されながら、健康被害の情報が相対的に少なかったのは、これによるのだろう。だが、2年近く経過し、人口動態では死亡数の増加が見られており、この地域の健康被害はこれから本格化、顕在化すると見られるから、警戒が必要だ。
茨城県は、守谷市、取手市などを除くほぼ全域が沈着度合いが高い。私のこのブログには、比較的早い時期から茨城県にお住まいの方から、コメントなどをいただいたが、家族の健康被害を抱えていた方もおられた。
私は、「2011年3月茨城県で被曝が契機となって300人前後が死亡した可能性」があると見ている。プルームの放射能の強さによっては、即死することもある。茨城県全域が、これだけヨウ素によって汚染されたのなら、抵抗力のない人から間を置かずに亡くなっていくことは、当然ありうる。
ひたちなか市以北の太平洋沿岸は、沈着度合いが特に高い。いわき市では、小児が甲状腺に強い被爆を受けたことが明らかになっているが、茨城県県北地方も同じリスクがあったのではないかと懸念される。
次が2011/3/15に関東を襲ったプルームのメインストリームだ。