第1話 訓練
2019年 3月12日 日本海
その海域に一隻の船が訓練をしていた。
『DDG-177 あたご 』
『あたご』はこんごう型に次いで建造された海上自衛隊2世代目のイージスシステム搭載ミサイル護衛艦である。
『あたご』CIC(戦闘指揮所)
護
「……(そろそろやな)」
CICにいた護は、時計を見ながら思った。
と、その直後
瑠奈
「…っ! レーダーに感っ! 方位1-3-1よりアンノウン機接近! 機数は5。 SIF反応なし!」
CICにてオペレーター担当の瑠奈が報告した。
「総員対空戦闘用意!」
「対空戦闘用意!」
「たいくーせんとーよーい!」
『あたご』艦長で対空戦闘用意を知らせるサイレンが鳴り、各乗員が一斉に動きだし持ち場についた。
「対空見張りを厳となせ」
「主砲目標良し、射撃用意良し、方向監視良し」 次々と報告と指示が飛び交う。
瑠奈
「目標、50°30マイルより5機、真っ直ぐ突っ込んできます!」
瑠奈が報告し、それを砲雷長の護が答える。
「主砲準備……CICより艦橋、速度維持、取り舵20!」
「とーりかーじ!」
「右対空戦闘、CIC指示の目標、主砲、うちーかたはじめー」
艦長は攻撃指示をし、それを護は反応する。
護
「トラックナンバー、1314から1319、うちーかたはじめー」
「うちーかたはじめー!」
射撃管制員が引き金を引き、艦橋より前部に設けられた主砲が火を噴いた。
瑠奈
「トラックナンバー、1314から1419、撃沈」
瑠奈が報告した、……しかし
瑠奈
「っ!、新たな目標探知!方位0-4-5より再びアンノウン機接近!、機数は3、SIF反応なし!」
護
「くそっ、またか!」
瑠奈の報告に護は思わず呟いた。
護
「(……さっきより早い、ミサイルか?)」
護はそう思った。
「新たな目標、40°より1000、高度2000」
護
「前部VLS解放、1番から3番、ESSM準備」
「了解、前部VLS、1番から3番、ESSM発射準備」
護はミサイルをESSMで迎撃する決断をした。
「ESSM発射用意良し」
護
「ESSM発射はじめ、サルボー!」
前部VLSより3本続けて、ESSMが真上に向けて発射され目標へ向けて飛んでいった。 レーダーでも捉える。
瑠奈
「インターセプト(目標へ弾着)10前……9……8……7……6……5……」
瑠奈がカウントを読み上げる。
ミサイルとESSMが徐々に近づき、その場に緊急が走る。
瑠奈
「4……3……スタンバイ…………マークインターセプト(目標へ弾着)」
レーダーから反応が消えた、迎撃成功である。
「近づく目標なし。砲撃やめ」
「砲撃やめ」
レーダーに新たな目標が現れないことを確認し、レーダーを維持している。
艦長はそれを見て帽子を直しながら言った。
「よし、総員戦闘配備解除。……訓練ご苦労だった、各員ゆっくり休みたまえ」
今回の訓練は実弾演習であり、本物の模擬弾と使い捨ての標的機を使っての訓練だった。
「今回も上々だったな」
艦長は隣にいた護に言った。
護
「まぁ、いつも通りですね」
「そうだな、じゃあ私も戻ってるかな。少し休みたい」
護
「はい。お疲れ様です。」
「うむ。」
そんな会話の後、艦長はCICを後にした
瑠奈
「ふぅ、終わった~」
ポンっ
瑠奈
「うん?」
誰だろうと後ろを振り向くと……
護
「お疲れ様、今回も中々だったよ」ニコッ
瑠奈の隣に微笑んでる護が立っていた。
瑠奈
「っ!、はっはい、ありがとうございます」
瑠奈は顔を真っ赤にしながら護の瞳を見つめながら言った。
護
「うん?どないした顔が真っ赤やけど、熱でもあるんか?」
護は心配そうに瑠奈の顔を近づけると更に顔が真っ赤になった。
瑠奈
「いえ!、熱なんてありません大丈夫です!」
瑠奈は顔を真っ赤にしながら言った。
護
「そうか?、ならええけど」
護はちょっと心配だけど瑠奈の顔を遠ざけた。
護
「それじゃあ、俺も自分の部屋で休んでくる。」
瑠奈
「はい、お疲れ様です。」
護
「うん、お疲れ様」ニコッ
そんな会話の後、護もCICを後にした。
一方、瑠奈はというと……
瑠奈
「…………(やった、やったぁ、護さんに声を掛けられるし、褒めてくれるし、心配もしてくれる。…フフっまた一歩進んだわ。)」
瑠奈は護に声を掛けられた事で上機嫌だった。
瑠奈
「……(あぁ、早く護さんを手に入れたい、他の女に捕られる前に彼を手に入れたい)」
護
「っ!、何だ物凄い寒気がしたぞ?」ゾクゾク
……しかも、護に対しる思いがまた強くなった。
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