<広島4-2DeNA(9日)>広島の新外国人・キラが9日のDeNA戦(横浜)に5番・一塁で出場し、さっそく値千金の同点1号ソロをバックスクリーンに叩き込んだ。日本球界への“名刺代わり”の一発は推定飛距離120メートルという見事なホームランだった。投げては先発・野村が粘り強い投球でDeNA打線を2点に抑え、完投で今季4勝目をマーク。赤ヘルは連敗を4で止めた。
1点を追う6回。打席に立ったキラのメガネの奥の目がスッと細くなった。相手先発・三嶋が投じた4球目、149キロの高め直球を狙いすましたようにフルスイング。打球は低い軌道を描き、そのままセンターバックスタンドにズドンと飛び込んだ。「打ったのは外の直球。甘い球をしっかりとらえることができた。初ホームランが出てうれしいし同点になってよかった」。コイ打線はこの一発で気落ちした三嶋を攻め、石原の犠飛で逆転に成功した。
不調のため登録を抹消されたエルドレッドに代わって昇格し、この日、日本デビューを飾ったキラは米国ハワイ・オアフ島出身。マイナーリーグでは通算196本塁打を誇る長距離砲で、何より選球眼がよく、この日も危なげなく1、2打席と四球を選んでいた。
広島関係者はキラの成功を来日時から確信していた。「キラが来日していきなり食べたのがざるそばでした。日本の文化や食事に対してまったく抵抗がない。中身は日本人。日系人や日本人観光客の多いハワイ出身なのが大きい」(広島関係者)
キラは高校まで日本食も豊富なハワイで過ごし、初の日本にも違和感なく入れた。途中加入の助っ人はキャンプ期間がない分、日本の生活にすぐになじめるかどうかが成否のカギを握る。出身地で大きなアドバンテージを持ったキラが、この日は“キラ星”のごとくチームの救世主になった。
投げては2年目・野村が3回二死二塁から荒波に先制の中前適時打を許したが粘りの投球を見せた。「前回の反省すべきところは四球。言われていることだしそれが失点の原因になっているので」と気をつけ、見事、無四球で完投勝利を飾った。
明大出身の野村に対し、1年下の三嶋は法大出身。対戦前には「(三嶋は)このところ抑えているので、ボクも負けないようにしっかりと投げたい」と対抗心を燃やしていた。昨季、防御率1点台でセ新人王に輝いた野村も今季はこの日の試合前まで3勝3敗、防御率3・38。3試合連続で白星から遠ざかっていたがようやく苦しみから抜け出した。連敗を止めた赤ヘル。ここから反攻に打って出る。
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