何度もマウンドを気にしたが、地方球場への順応は抜群だ【拡大】
「フォーク、フォークでね。(配球は捕手の)藤井さんに聞いて」
頼りの女房役を信じて4球連続でフォークを投じ、空振り三振斬りだ。二回以降は毎回の8Kを奪う7回7安打2失点の熱投でリーグ2位の8勝目(3敗)。中西投手コーチは「マウンドはちょっと合わなかったみたいだけど、弱みを見せながら、投げるタイプやから」。地方球場で今季3戦3勝と順応力の高さをみせつけた。
左腕にとって沖縄は春季キャンプはもとより毎年、1月上旬から自主トレを行う。ゆかりは深いが、意外? にも食に対してはチャレンジ精神旺盛で「好き嫌いはほとんどない」と沖縄料理もこよなく愛す。ただ唯一、挑戦してギブアップしたものがある。ヤギ肉がたっぷり入った伝統のヒージャー汁。「一回食べてみたんだけど、癖が強すぎて…」。そのときばかりは持ち前のポーカーフェースがゆがんだとか。もちろん、この日の戦いの最中は端正なマスクが崩れることはなかった。
「言われたところで投げるだけ」が大黒柱の口癖。次回先発は15日の首位・巨人戦だ。直接対決へ、竜倒で弾みをつけた暑い熱~い夜だった。 (小松 真也)
(紙面から)