狩野蒼穹『ぼくだって姉とSEXしてみたい!』
学園のアイドル(死語)な不二子ちゃんのたわわなおっぱいに目を引かれますが、何やら企んでらっしゃるご様子。まぁ、EDアニメを見る限り、次回くらいですっかりデレるのではと予想していますが。
さて本日は、狩野蒼穹先生の『ぼくだって姉とSEXしてみたい!』(久保書店)のへたレビューです。大変頭の悪い(誉め言葉)タイトルがよろしいかと。以前書きました先生の作家評等もよろしければ併せてご参照下さい。
いつも通りにちょっとお馬鹿なお姉ちゃんとの優しく楽しいラブコメディにニコニコできる1冊になっています。
収録作は全て読み切り短編で10作。1作当りのページ数は16or20P(平均17P強)とやや控えめなボリューム。
日常劇をメインとしている分、話としてはかなり小粒になっていますが、読み応えのない一方でそのまったり穏やかな世界は居心地が大変良く、読み易い1冊に仕上がっています。
【いつも通りのまったり日常エロ模様が心地良し】
10年近くひたすら姉弟モノを描き続けてきたこの作家さんの7冊目となる今巻も、やはりキュートなお姉ちゃんと弟くんとの平和な日常ラブコメディ。
皆さん素敵に貞操観念の低いお姉ちゃんとそんな姉に振り回されつつも姉が好きな弟とのラブ&セックスの模様は近親相姦の背徳感など何処吹く風であり、家族愛も含めた好意と性の快楽が分裂せずに重なり合うものとしてナチュラルに描くスタイルが作品の穏やかさを形成しています。
登場人物の恋愛感情に関して作劇上強く踏み込むことは無いものの、例えば頻出する“体臭”の指摘なども含めて、相互の欲望や感情が非常に率直に伝達され合う様子そのものが、登場人物達の関係性にある安心感・信頼感を示しているのも上手い点と感じます。
セックスを行ったこと(行っていること)が姉弟としての関係性に対し、特段の作用を持たない故に、話のドラマ性・展開の妙といったものはありませんが、それでいて作品が平板にならず、登場人物達それぞれのハピネスが収録作に豊かさをもたらしているのは流石このジャンル専科の作家さん。
その意味で、フェードアウト気味のゆる~いハッピーエンドもまた心地よく、最後まで肩の力を抜いて楽しめます。
【バラエティ豊かで素敵に阿呆なお姉ちゃん軍団】
言わずもがな、登場するヒロインは全て血のつながったお姉ちゃんで、年齢的には女子高生クラスで統一。
近親エッチへの精神的敷居がえらい低いお姉さん達はアホ娘さんが多く、素敵にオツムの緩い感じが可愛らしさの基礎となっています。とは言え、脳味噌ほわほわなお姉ちゃんかたしっかり者だけれども局所的に“変”な姉貴まで、その“ネジのぬけ方”は登場人物達によって様々であり、個々にユニークな魅力を有しています。
体型的には程良い肉付きな並乳さんがメインであり、いかにも普通っぽい体つきには強い色香はないため、ダイナマイトボディな女の子をお求めな方には回避を推奨。
加えて、日常での生活の流れからエッチへと移行するため、着衣エッチがメインであり、特に乳に関しては露出がかなり少ないのはおっぱい星人の諸兄には大きな減点材料でしょう。その一方で、適度にボリューミィで形の良いスベスベ桃尻が量は多くないながらも印象に残ります。
【体温や臭気が伝わりそうなほっこりエロス】
姉弟の睦みあいを重視する作品構成であり、日常の延長とセックスシーンとを明瞭に分けないため、抜きに使えるエロとしての強度を保っているページ数はそこまで多くないことには要留意。
その多くない濡れ場においては、互いの体を嗅いだり舐めたりな前戯パートに比重を置くスタイルであり、足や性器、着衣(靴下や下着等)などの臭いや味を“クサイ”“変な味”とストレートに表記するのもこの作家さんの特徴です。
激しいエロ演出を排している一方で、柔肌をじっとりと濡らす汗や各種淫液を適量添加したり、ヒロインの火照った表情をエロ可愛らしく表現したりと、穏やかな煽情性の香らせ方が徐々に性欲中枢を刺激してくるタイプ。
足舐めやアナル舐め、アナルセックスなどちょっと変態チックなエロを含有しつつ、やはりそれらに背徳感があまり無く、シンプルにヒロインのキュートな困惑を生んでいるのも独特のエロティシズムと言えます。
多回戦仕様で、前後の穴に複数出したりするケースもあり、時々断面図等も絡める中出しフィニッシュの後は、秘裂からとろーりと白濁液が漏れ出る様子で終わらせる手法も健在。
偉大なるマンネリズムという評がよく似合う単行本であり、それでいて意外に作品の趣向には多様性があって、いつもの姉弟エロに飽きが全くこないのは嬉しいですなぁ。
全作お気に入りですが、敢えて一つを推すならば、お馬鹿な三白眼姉の目論見が見事に破綻する短編「夏休みのすごし方」が最愛。お勧め!
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