7回裏2死二塁、左中間スタンドに9号2ランを放つ坂本
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◇巨人6−3ヤクルト
巨人が終盤の一発攻勢で競り勝ち、貯金を今季最多の19とした。3−3に追い付かれた直後の7回、坂本の9号2ランで勝ち越し、続く阿部が21号ソロを放った。菅野は7イニング3失点で8勝目。ヤクルトは救援陣がつかまった。
59年ぶりの公式戦に沸くG党が総立ちだ。3−3の7回。2死二塁の勝ち越し機で巨人・坂本が魅せた。左腕久古の内角直球をすくい上げるようにフルスイング。滞空時間の長い放物線は左中間スタンドに吸い込まれた。
「かっこいいところとかっこ悪いところを見せられて良かったです」。お立ち台では思わず照れ笑い。決勝の9号2ランは汚名返上の一打だった。1点リードの7回の守備で、先頭畠山の打球をトンネル。このプレーをきっかけに先発の菅野は同点を許し、勝ち投手の権利を失ったままマウンドを降りた。
ミスを取り返し、菅野に勝ちをつけるには7回に勝ち越すしかなかった。追い込まれた打席で見事に結果を出した坂本の精神力には原監督も「久しぶりに根性を見た。プロは技術だけじゃない」と感嘆。坂本自身も「(菅野)智之の時はいつもエラーをしてしまう。今日もエラーしたので打たないと何を言われるか分からない。勝ちがついて本当に良かったです」と胸をなで下ろした。
1954年以来59年ぶりに山形で開催された巨人の公式戦。坂本はやや茶色かった髪を黒く染め、長さも短くした『紳士ヘア』で山形入りし。その地で巨人選手としては50年の川上哲治以来63年ぶりのアーチをかけ、チームを今季最多の貯金19に導いた。逆境をはね返した一撃は、人一倍、規律に厳しかった『打撃の神様』がくれたごほうびだったのかもしれない。 (臼杵秀之)
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