【動画】復興音頭を歌う佐藤さん |
【山本奈朱香】福島第一原発事故で養豚の仕事を奪われ、一時は死も考えた。そんな福島県南相馬市の男性を支えてくれたのは、友人や遠くから駆けつけたボランティアだった。立ち直れた今、彼らに恩返しをしたい。「自分にできることは何か」。男性は意外な方法を思いついた。
《サンテンイチイチ 巨大地震津波ヨー ハァー 原発爆発ヨー 逃げろ逃げろヨー》
佐藤英明さん(64)の歌声が響く。地元に伝わる「相馬盆唄」の替え歌「復興音頭」だ。来てくれるボランティアへのお礼に、と自分で作った。
26歳から養豚業一筋。明け方に起きて3千頭の豚を世話する日々が、あの日突然終わった。家族は無事だったが、原発から30キロ圏内にある自宅は津波で1階が浸水。周囲の親戚や知人は散り散りに逃げた。
佐藤さんは「豚を置いて逃げられない」と自宅にとどまった。だが、餌は納入されず、すぐ無くなった。毎日のように生まれる子豚を前に、なすすべがない。「よくこんなに涙あるもんだな、って感心するぐらい涙が出た」
全国の地すべり地形と人工地形の分布マップを掲載
住所・地域で地震発生時の揺れやすさを検索
巨大地震発生時の各地の揺れや津波の大きさを確認
全国の活断層マップを掲載。震度予想データも
日本が抱える原発問題。16原発の放射能拡散予測も掲載
個人としての思いと、かつてない規模の震災被害、その両方を同時に伝えます(無料でご覧いただけます)
福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート