事件官邸介入にも注水続行 貫き通した「現場の判断」 福島第1原発の吉田元所長死去+(1/3ページ)(2013.7.10 00:22

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官邸介入にも注水続行 貫き通した「現場の判断」 福島第1原発の吉田元所長死去

2013.7.10 00:22 (1/3ページ)原発
2011年11月、福島第1原子力発電所の免震重要棟で、報道陣の質問に答える当時の吉田昌郎所長(右から2人目)と細野豪志・原発担当相(右端)

2011年11月、福島第1原子力発電所の免震重要棟で、報道陣の質問に答える当時の吉田昌郎所長(右から2人目)と細野豪志・原発担当相(右端)

 吉田氏は福島第1原発事故時に所長として、免震重要棟で収束作業の対応にあたる一方で、現場に細かく介入してくる首相官邸と東電本店に対し「現場の判断」を貫き通した。所長として部下を現場に送る思い。官邸や本店との軋(あつ)轢(れき)。東京電力が公開した事故当時の社内テレビ会議映像などからは、さまざまな思いで事故と対(たい)峙(じ)し苦悩する吉田氏の姿があった。

 「これから海水注入中断を指示するが、絶対に注水をやめるな」。平成23年3月12日、水素爆発した1号機への海水注入をめぐり、「首相の了解がない」と中断を求めた本店の指示に反し、小声で作業員にこう伝え注水を続行させた。現場より官邸の意向を尊重する本店に、テレビ会議では面従腹背して、自らの経験と判断を優先させ事態の悪化を防いだ。

 矢継ぎ早に指示を出す本店に対して、「いろいろ聞かないでください。ディスターブ(邪魔)しないでください」と声を荒らげることすらあった。本店とのやりとりでは遠慮せず、免震重要棟に怒声が響いたことも一度や二度ではなかったという。

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