ヘイトスピーチデモ:無関心が生む差別 外国人記者に聞く
毎日新聞 2013年07月10日 02時30分(最終更新 07月10日 03時02分)
9日の会合には約30人が参加。ゲストスピーカーの新右翼「一水会」の鈴木邦男顧問が「弱い人たちが普段言えないことを言い、自分が巨大な国になったような幻想を抱いている」と指摘。デモの規制を主張している有田芳生・民主党参院議員が「戦後68年で最も異常なデモ。不満のはけ口として参加している人もいる」などと話した。
◇海外で規制2種類「表現の自由への脅威にも」
諸外国の規制には大別すると、個人に罰を科すための刑事法(刑法)と被害者救済が目的の人権法による2種類がある。
英国などでは実際に訴追されたケースがある他、カナダでは「ユダヤ人は邪悪」などと教室で発言した高校教師の有罪が1990年に確定している。一方、米国では連邦最高裁が92年、規制は違憲との判断を示した。
日本の刑法関連規定には脅迫罪や名誉毀損(きそん)罪などがあるが、静岡大人文社会科学部の小谷順子教授は「不特定多数に対するヘイトスピーチには適用されない」。人権法による規制も「対象となる表現行為が幅広くなりがちで表現の自由への重大な脅威となりうる」と慎重だ。