【NQNニューヨーク=古江敦子】9日の米株式相場は続伸して始まった。午前9時35分現在、ダウ工業株30種平均は前日比70ドル12セント高の1万5294ドル81セント、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同11.25ポイント高の3496.08で推移している。前日夕に非鉄のアルコアが米主要企業の先陣を切って発表した四半期決算が市場予想ほど悪化せず、米企業収益は底堅いとの見方から幅広い銘柄に買いが先行。欧州の株式相場上昇を好感している面もある。
欧州の株高は、ユーロ圏が8日の財務相会合で、財政再建中のギリシャへの総額68億ユーロの段階的融資で合意したのが一因。欧州債務問題が再燃するとの懸念がやや後退した。
個別銘柄ではアルコアが小幅に上昇。4~6月期決算は最終赤字幅が前年同期に比べ拡大したが、特別項目を除く1株利益と売上高がともに市場予想を上回った。資源大手のBHPビリトンや石炭のピーボディ・エナジーなども堅調。
ほかのダウ平均構成銘柄では、IT(情報技術)のヒューレット・パッカード(HP)や航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズ、医療保険のユナイテッドヘルス・グループなどが上げている。
スーパーマーケット大手のクローガーが高い。同業の買収を発表し、事業基盤の拡大への期待が出ている。米書店チェーン最大手のバーンズ・アンド・ノーブルも上昇。最高経営責任者(CEO)の辞任を発表し、経営刷新への期待が広がった。電機自動車(EV)のテスラ・モーターズも買われている。ナスダック100株価指数への組み入れが決まったのが手掛かり。
一方、アナリストによる投資判断の引き下げが伝わったIBMが下落している。
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