UPDATE 2-中国の6月CPIは前年比+2.7%に加速、政策緩和余地を限定 PPIは低下
* 6月CPI、前年比2.7%上昇(予想2.5%上昇)
* 6月PPI、前年比2.7%低下(予想2.7%低下)
* 中国人民銀行、目先は政策スタンスを「中立」に維持=アナリスト (内容を追加しました。)
[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は、食品の値上がりを背景に、前年比2.7%上昇した。伸びは5月の2.1%から加速し、ロイターがまとめたエコノミスト予想の2.5%を上回った。減速する中国経済を支援するための中国人民銀行(中銀)の政策緩和余地を限定する内容となった。
人民銀行は、消費者物価インフレと不動産バブルを避けつつ、中国経済の安定を維持するため、短期的には政策スタンスをおおむね中立に維持しているようだとアナリストは指摘する。
ダイワ(香港)のエコノミスト、ケビン・ライ氏は、「食品の物価圧力がやや戻ってきたようだ。当局が利下げなど政策緩和措置をとるのは、一段と難しくなった。第4・四半期に預金準備率を引き下げるかもしれない」と指摘。「年内の利下げ可能性は遠のき、これは好ましい要素ではない。ただし、需要が力強さを欠くことから、インフレは年末までには鈍化すると考えている。物価圧力が続くのはせいぜい3─6カ月程度であり、現時点では大きな問題ではないと言えよう」と述べた。 中国では6月20日に短期銀行間金利が30%近くまで急上昇した。人民銀行は高リスク融資を抑制するよう銀行に警告する意味で、金利上昇を容認したとみられる。
6月のインフレ率は政府目標の3.5%を依然下回り、指標となる1年物預金金利の3%も下回った。6月のCPIは前月比では変わらず。予想は0.2%低下だった。
6月の食品価格CPIは前年比4.9%上昇し、5月の3.2%から伸びが加速。食品以外は同1.6%上昇した。豚肉価格は5月に前年比4.9%下落したが、6月は同1.1%上昇に転じた。
6月の生産者物価指数(PPI)は前年比2.7%低下し、ロイターのエコノミスト予想と一致。5月は同2.9%低下で、6月まで16カ月連続で前年比マイナスが続いている。前月比では0.6%低下した。
申銀万国証券(上海)のエコノミスト、LI HUIYONG氏は、「PPIの低下は、中国経済が過剰設備の問題と需要の弱さに悩まされていることをあらためて示している」と指摘した。
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