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保存か解体か 住民意向割れる 宮城・女川の「震災遺構」

江島共済会館

旧女川交番

女川サプリメント

 東日本大震災からの復興事業が進む宮城県女川町中心市街地で、倒壊した三つの建物を「震災遺構」として保存するかどうか、扱いが注目されている。一部は復旧工事に支障を来す可能性があるが、住民の意見は保存と解体で割れている。町は住民の意向も踏まえ、工事の進行状況を見ながら判断する方針だ。
 倒壊建物は、離島・江島の島民の宿泊施設だった「江島共済会館」と旧女川交番、民間の薬局だった「女川サプリメント」。町の復興計画策定委員会は2011年6月、「津波による鉄筋ビルの倒壊は世界的にも珍しい」として保存の方向性を示した。
 町が実施した調査では、鉄骨コンクリートの江島共済会館は耐久性の点で長期間の保存は難しいとみられる。他の二つは補強すれば保存可能だが、補強費用だけで一つ当たり数千万円はかかるという。
 三つの建物の周辺は大規模な復旧工事が本格化している。旧女川交番の近くでは、かさ上げ工事のため今月13日から通行止めとなる国道398号の迂回(うかい)路を建設中。海沿いの女川サプリメントは、県による護岸工事の妨げになる恐れがある。
 住民の中には「震災を思い出すから見たくない」と取り壊しを望む声があるが、防災を学ぶ地元の中学生は保存を主張する。昨年11月、当時の女川一中(現女川中)の生徒たちは「1000年後に津波被害を伝えるために必要」と町に保存を提案した。
 須田善明町長は「子どもたちが震災遺構として残そうと訴えてきた意味は大きいが、保存費用などの課題もある。復興計画の進展の中で、それぞれの建物の存在意義を見定めていくことになる」と述べ、慎重に検討する姿勢を見せている。


2013年07月08日月曜日


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