焦点:原発再稼働へ蘇る「安全神話」、突貫作業で新規制基準
[東京 8日 ロイター] - 東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)福島第1原発事故発生の温床となった「安全神話」が息を吹き返している、との指摘が専門家の一部から出ている。実質的に半年あまりの突貫作業で仕上げて8日に施行された新規制基準について、「穴だらけ」との声も挙がっている。
しかし、原子力規制委員会の田中俊一委員長は「世界一厳しい」と反論している。規制委の背後には安倍政権からの強い圧力があるとの見方も聞かれる中、田中氏が唱える「安全文化」が定着するのか、注目を集める新しい原子力政策が始まった。
<泉田知事、古巣から標的>
「なぜ急ぐのか」─。新潟県の泉田裕彦知事は今月5日、柏崎刈羽原発の再稼働方針の説明で訪れた東電の広瀬直己社長を問い詰めた。3日前に東電は柏崎刈羽原発の再稼働方針を取締役会で決議。8日の新規制基準施行後、「速やかに申請したい」(広瀬氏)と記者会見で表明した。
だが、厳しい会談になることは予想された通りだった。泉田氏の射貫くような視線を受けて、広瀬氏は「反省すべき点があった」などと懸命に弁明する一方で、「再稼働申請の前に県の事前了解をとるのか」と迫る知事に確約はしなかった。
6月の段階で泉田知事は、県の了解なく再稼働申請を行った場合、「信頼関係を壊す」との警告を発していた。だが、3年連続経常赤字回避に努力する姿勢を銀行団に示す必要がある東電は、社外取締役を中心に再稼働に向けて強行突破を図った。
元経済産業官僚の古賀茂明氏は、古巣の後輩である泉田知事に対する包囲網が形成されていると述べる。「泉田裕彦は経産省で出来が悪くて知事に転出した。省内で出世できなかったことを根に持って抵抗している、というストーリーを経産省がこの1年間、ずっと流している」と古賀氏は指摘する。
<泉田知事が批判する新基準の中身> 続く...