アシアナ航空機の着陸失敗事故を調べている米国家運輸安全委員会(NTSB)は7日、事故の7秒前の時点で事故機は目標速度を下回っており、1.5秒前には操縦士が再上昇を試みていたとする中間発表を行った。機体の欠陥ではなく、操縦士の過失が原因である可能性を示唆したものだ。
事故原因によって、航空会社、サンフランシスコ空港、航空機メーカーのボーイングの責任はそれぞれどうなるのか。事故原因に関する調査結果がまとまるには、早ければ数カ月、最長で数年かかることもあり、現時点では即断できない。
ただ、専門家はアシアナ航空が自己責任を免れるのは難しいと指摘する。韓国航空大のキム・ジョンボク教授(航空法)は「国際航空輸送に関するモントリオール条約(2003年発効)は2段階の責任制度を設けているが、11万3100SDR(約1370万円)以下の費用は航空会社が無条件で責任を負う。それを上回る部分も、航空会社自ら過失がないと立証できなければ、責任を負うことになる」と説明した。
アシアナ航空は今回の事故を収拾後、モントリオール条約の基準に従い、死者の遺族、負傷者の代表と賠償交渉を行う予定だ。大韓航空は1997年に起きたグアム島での墜落事故で、10万SDRに特別見舞金を加算した2億5000万ウォン(約2200万円、現在のレート・以下同)を遺族に支払った。しかし、賠償合意に納得しない遺族の一部は、韓国の裁判所で約7億ウォン(約6160万円)、米国の裁判所では約20億ウォン(約1億7600万円)の賠償金を受け取った。賠償額計算サイトのススロ・ドットコムの韓文哲(ハン・ムンチョル)弁護士は「今回もアシアナとの和解に応じない人は、韓国より賠償額が大きい米国の裁判所に提訴する可能性が高い」と指摘した。
事故調査の結果、航空会社だけでなく、空港や航空機メーカーにも責任があることが明らかになれば、アシアナ航空は支払い済みの賠償額の一部について、空港やボーイングに賠償請求権を行使することができる。
滑走路の自動着陸誘導装置が故障していたからといって、航空当局の責任を問うのは困難とみられる。97年のグアム事故では、裁判所がグアム空港の自動着陸誘導装置が故障していたことを認定したが「墜落事故を防ぐべき注意義務を果たさなかった操縦士に単純過失を上回る責任がある」と判示した。丁海徳(チョン・ヘドク)弁護士は「金銭的な賠償問題だけでなく、刑事的な問題もある。操縦士の過失が明らかになれば、刑事責任を負うこともあり得る」との意見だ。
旅客機が異常に低い高度で滑走路に進入した原因については、操縦士の過失であればアシアナの責任だが、機体の欠陥があった場合には、ボーイングにも一部責任が生じる。