普通、電子回路は回路図というもので表されます。 したがって、この回路図というやつを読む(理解する)ことができれば、 それにそって作ることができるわけです。 ではさっそく回路図を読むにあたっての簡単なきまりを見ていきましょう。 はっきりいって簡単です。 なぜなら実際の配線を簡単に 表すために用いられたものなのだから…。
<a>
<b>
<c>
この図の、<a>、<b>、<c>の区別がつきますか? すぐわかるはずです。<a>では線の交点に黒丸が、 <b>は交点に特にしるしはなく、<c>では飛びこえています。 これらが表していることは、<a>は線同士が交わる、 <b>、<c>では交わっていない、といったことです。
どうです?かんたんでしょう。ではここで1つクイズ。
<d>
<e>
これらの図において<d> 、<e>どちらかが正しい書き方です。 どっちでしょう。ちなみに、 この、<d>、<e>の2本の線は交わっていることを表したいのです。 答えは<d>です。なぜなら交点に黒丸をつけないと それは交わっていないことを表してしまうからです。 <e>は、いけません。 線同士に関するきまりはこの程度です。
この図記号は … そう、電池です。
ご存知のように、長い方が+、短い方が−を表しています。 実際の電子回路では+の所につなげたいもの、 −の所につなげたいものがいっぱいでてきます。 こんなときいちいち線同士を交差させたりするのはめんどうです。
そこで、どうするかというと …
<f>
<g>
<h>
この図のように電源につなげる事をあらわします。
<f>、<g>は、「−につなげるんだよ」という意味をもち、
また<h>は「+につなげるんだよ」という約束ごとです。
そうそう。これらの図は回転させて書くのはやめましょう。
つまり、線があとにどうつづいていようとも
この向きで書くようにするということです。
<f>はGND(グラウンドと読む)で電源の−につなげ、
<g>はFG(フレームグラウンド)で、
アルミフレームなどをつかったとき、
ケースに電気を逃がす必要のある時に書きます。
(区別はかなり曖昧ですが。)
<h>を使うとき、異なる電圧の電源を混在させるときは、
わかりやすいように横に電圧を書くのを忘れずに。
その他にも、もうすこし決まりがあります。 同じ所へ向かう線がいっぱいあるとき (マイコンやICなどにつなげるとき) いちいち8本とか10本とか書くのがめんどくさくなったら(見にくくなったら) そんなときは、
と、このようにまとめて書き表すこともで きます。ただし、しっかりと、どことどこがつながるか書いておかないと わからなくなりますので注意。
抵抗、
コンデンサ、
トランジスタなどは
それぞれの図記号が用意されており、それを用います。
ICの場合は、まちまちです。ディジタルICの場合、
基本ゲートやフリップフロップなどには、その記号がありますが、
その他のものは、四角い箱で書きます。
ここでの注意は、
見てわかりやすいように部品の横などにその部品の値、
番号などを書いておく、ということです。
これを忘れると実際に組み立てるときに
何を使っていいのかわからなくなります。
これだけは気をつけてください。
mkimura@trans-nt.com