2013年4月22日月曜日

むすんでひらいて1・ツイート「僕は被害者」



4月8日から、地元紙・信濃毎日新聞にて、息子の件が10連載されました。
信毎WEBの方には載らない記事だそうなので書き起こしました。

この件は、2月の初旬から、10回以上にわたり取材を受けましたが、
この時期の私達親子は、マスコミに不信感を持っていました。

実はこの頃、ツイッターの影響などで
NHK・フジテレビ新報道2001・朝日新聞その他の取材も受けましたが、
全部お蔵入りになっているのです。

理由は、「複雑過ぎる」
桜ノ宮直後の報道陣は、「単純な体罰問題」を求めていたのです。

フジの時は、
系列の「長野放送」が県内から取材に来ると思っていたのですが、
東京本社からやって来ました。

桜ノ宮の件を受けての特番、文科省・義家政務官がゲストに出演する会の取材でした。
息子の気持ち、私の感情を赤裸々に教えて欲しいと、
インタビュアーの他にカメラマンも来て、話だけではなく、
近くのバスケットコートで、延々1人でシュートを続ける息子の姿を撮るなど、
取材の総時間は、7時間かかりました。

記者は最後に、「××君が学校へ行ける後押しになる番組にしますから!」
と、帰って行きました。

私は、自分の子供を全国テレビに晒す事に抵抗がなかったわけでもないですが、
取材の時は、息子の映像は顎から下のみ、家の外観も撮らないということで、
どんな糸口でも息子の問題が解決の方向に向かえば・・・と思い、
「長野県」のどこの誰だかわからない仕上がりにするいう事でOKをしました。

全国的には長野の誰かはわからなくても、
県内の当事者達は、「これ以上の大事にされては堪らない」と、
火消しに走る・・・すなわち解決すると思ったからです。

何度も指示を飛ばしてくださった知事には申し訳ない事ですが、
この時に一番意識をしたのは阿部知事です。
テレビ放送されれば県教委に、「長野県の恥を晒すな」と
更なる檄を飛ばしてくださるに違いないと思ったのです。
秘書さんによると、知事もこの件には胸を痛めていらしたそうですが、
地方行政には「強制力」がないのです。

知事は自分の発した、
「いじめをなくそう~共同メッセージ~」を読んで助けを求めた子供を
今現在はどう思っているでしょうか。

しかし、結局番組は没になり、
私達親子を支援してくださる方達と一緒に落胆しました。

当時はNHKも、裁判が始まってから後追いするという事で、今は番組にしないという事でした。
フジ以外の局や週刊誌は、
「裁判の流れも追いたい」「もっと大系で見ていきたい」という事でしたが、
「今起きている問題」よりも、『起承転結までを描きたい」という印象で、
その後の取材は、とりあえず待ってもらっています。

フジのインタビュアーの方は顔の知れた人で、私と息子の話をよく聞いてくださいました。
プロデューサーとかけあっても番組にできなくて申し訳ないとの連絡がありましたが、
ひとつとても感謝している事があります。

取材の当日、日が暮れた頃に「学校に取材したい」と言い出したのを、
「どうせ取材など受けるわけはない」と止めましたが、
「受けなくても、『報道2001』が来たというだけで、学校には圧力になると思いますよ」
と言い、ダメ元で取材に行ってくれたのです。

その取材の対応に学校は慌てて、
「明日、対応するかどうか返事をする」と言って記者らを一旦帰らせました。

なので、フジテレビは一晩安曇野市に留められる事になったわけですが、
この記者さんの思惑は、当時は「当たり」でした。
学校サイドは相当慌てたようです。

ただ、この学校の旧校長と現教頭のやる事ですから、
またこれが的外れで、
このブログでは何度も出ているツイッターで遁走した「子供ポストマン」を導入し、
結果はご存じの通りです。

そういえば、学校が慌てふためいていると教えてくれたのも「子供ポストマン」でした。
自分で確認としたわけではないので、
本当かどうかはわかりませんが。

3月初頭にこちらの弁護士から
「今は、ブログに色々書くのを待とう」という提案があったので、
更新をしない時期もありました。

私たちは地元信毎のカラー連載になるのを知っていたからです。
そこで、取材を受けている詳細などをブログに綴れば、
どこから圧力がかかって記事が潰されるかわからないので、
今までは、忍の一字。

今、新聞連載も一段落したので、今年起きた事、現在どうなっているかを、
新聞の書き起こしと共に書いていこうと思っています。

雪の時期で、足元の悪い中、何度も長野市から安曇野市に足を運んでくださり、
安曇野に起きている問題、ひいては現在の教育界に一石を投じてくださった、
信濃毎日新聞のT記者に、この場で感謝を送りたいと思います。




ツイート「僕は被害者」


通えない安曇野市の中学生県内が県内外の反響

「君が思ってることを、つぶやいたり、ダイレクトメッセージで送ってくださいね」
(1月9日付、阿部守一長野県知事)

「あなたは被害者だと思います週明けに関係部局に連絡します。
明日は良い一日を。明けない夜はありませんから」
(1月27日付、片山さつき参院議員)

「君」や「あなた」は長野県安曇野市内の中学校の男子生徒(13)を指す。
阿部知事や片山議員の言葉は、この生徒が1月8日から始めたインターネットの短文投稿サイト「ツィッター」への反応だった。

その初日、生徒はツィッターへの「ツィート(つぶやき)」にこう書いて、阿部知事と、
いじめなど教育問題について発信していた片山議員のツィッターに送った。

「僕はこの事件の被害者です。やった先生も校長も一切謝らない。
校長は僕から話も聞きもしないで学校から追い出した」

この生徒と学校の間で大きなトラブルがあったのではないかと推測させる内容。

それは、安曇野署が昨年12月上旬までに、男子バスケットボール部で顧問だった男性教諭が昨年6月19日のプール清掃の指導中、この生徒に体をぶつけて転倒させたとして、暴行容疑で松本区検に書類送検した「事件」のことだ。

生徒は男子バスケ部に所属している。1月8日のツィッターではこうも書いた。

「学校は僕からバスケットも取り上げました。毎日一人で練習しています」
北アルプスを望み、田園地帯が広がる安曇野市。

年明けのこのころ、大阪市立桜宮高校で体罰を受けた生徒の自殺が発覚して全国的に問題になっていた。
のどかな地域で暮らす生徒のネット上のつぶやきが全国を駆け巡り、反響はすぐに500件を超えた。

ツィッターに対して反応を寄せた阿部知事は県次世代サポート課に対応を指示、長野県教育委員会とも情報を共有している。

片山議員は文部科学省を通して事情を把握した。
「先週。文科省の担当課長が私に『校長も担任の生徒も学校に戻そうとしてる。担任は毎日電話し、週に一回家庭訪問している』と説明」
(2月5日付片山議員のツィッター)

転倒事件の頃から、生徒の母親(49)と学校の間でバスケ部の運営などに関して確執が生まれ、生徒は今、ほとんど学校に行っていない。
ツィッターで発信した理由について生徒は、

「ストレス解消にもなるし情報が外に広がる。自分の状況を知ってもらい、早く解決すればいいと思った」と説明する。

知事が生徒のツィッターに反応した1月9日。生徒は母親にメールを送った。
「知事が僕の事フォローしてくれた(ツィッターを読んでくれた)!」

母親も教諭の送検後からブログ(インターネットの日記風サイト)を立ち上げ、こう書いた。
「息子を支援してくださる方々に対し、感謝の念に堪えません。顔に赤みが戻ってきました。
この場を借りてお礼申し上げます」(1月16日付)

「こつこつ地道に努力してこうね。きっといいことあるからさー」
「一歩を踏み出して」

今も生徒のツィッターに励ましの言葉や助言が全国から寄せられている。

4月、生徒は2年生になった。
しかし、生徒が学校に通える状況にはなっていない。

母と子の思い、学校の対応、周りの保護者、親子が暮らす地域・・・・。

「むすんでひらいて」第4部は、安曇野市を舞台にした親と中学校の擦れ違いの背景をたどりながら、学校、保護者、地域の関係を考える。





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