参院選:中3模擬投票「架空政党で」 弘前市教委“介入”
毎日新聞 2013年07月09日 02時30分
◇公職選挙法には抵触せず
青森県内の学生団体「選挙へGO!!」が、同県弘前市の市立中学校の3年生約40人を対象に企画した参院選の模擬投票を巡り、市教委が「実際の政党を使うのは問題がある」と待ったをかけていたことが分かった。9日の投票では「積極党」「安心党」など架空の政党や公約を用いる。学生団体と市選管は6月に「実名投票」で合意していたが、公示翌日の今月5日になって突然、市教委が仮名を要請していた。
当初は実際の選挙公報やポスター、ニュースなどを使って意見交換し、市選管に借りた投票箱を用いて投票する予定だった。「開票」は実際の参院選の投開票日翌日の22日以降とし、公職選挙法には抵触しない。未成年対象の模擬選挙は、三重県松阪市長選や青森市長選で実際の候補者名で行われている。
市教委の佐藤紘昭教育長は「選挙期間中に現実の政党を挙げて投票するのは、学習指導要領に定められた教育活動と授業の内容を超えると判断した」と話した。一方、学生団体のアドバイザーの佐藤淳・青森中央学院大講師は「若者の無関心を改善するためにも実際の政党で実施すべきだ」と話している。【酒造唯、松山彦蔵】