キラー・杉内から菅野、宮国！“虎叩きローテ”で貯金２０だ！

練習を終え、青空の下笑顔で引き揚げる杉内

　巨人が“虎叩きローテ”を編成し、貯金２０で前半戦を締めくくる。１５日からの阪神との首位攻防３連戦（甲子園）の初戦の先発が杉内になることが８日、濃厚になった。チームトップの７勝を挙げている杉内と菅野、４日の敵地・阪神戦で７回途中無失点で勝利した宮国の３投手を投入する。前半戦残り８試合、まずは９日からヤクルトを相手に、山形、福島での２連戦に臨む。

　全勝ターンを目指す残り８試合で、首脳陣はローテーションを再編する。９日からの山形、福島でのヤクルト２連戦、１２日からの中日３連戦（ナゴヤＤ）はもちろん、何より現在３・５ゲーム差の２位・阪神との前半戦最終カード（甲子園）を最も意識した編成となる。

　この日のＧ球場での先発投手練習に、３年目の小山の姿があった。「登板の可能性？　状態もいいし、あると思う」と川口投手総合コーチ。今季中継ぎで５試合に登板している右腕の、前半戦での先発起用を示唆した。小山は７日のイースタン・ロッテ戦（袖ケ浦）で７回１安打無失点と好投。そこで中６日で、１４日の中日戦で今季初先発させる目星がついた。

　これまでの順番通りならば、１４日は杉内の出番。そこに小山を投入することで、左腕を中７日で、１５日からの甲子園での３連戦初戦に起用することが可能となった。中６日を基本としながら、中５日、中７日、中８日とあらゆる登板間隔に対応して、チームトップタイの７勝をマークする杉内の安定感を信頼して、首脳陣は決めた。

　巨人移籍後の虎キラーぶりも買われた。昨年からこれまで、甲子園での阪神戦は３登板で１勝１敗。だが２３イニングで自責点は０。この数字には、杉内も自信をのぞかせる。ランニングなどで調整を終えると、「もし、そう（阪神戦に回ることに）なったら、頑張ります。甲子園は相性いいですから。前半戦最後の試合。ぶつかっていって、勝てればいいです」と、笑顔を見せた。

　球宴までの残り８試合で貯金を２つ増やせば、貯金２０で折り返すことになる。過去、貯金２０以上で折り返したシーズンは、１７度すべて優勝。さらに２位チームに４・５ゲーム差以上ついていた１８度も、すべて優勝している。データの後押しもあり、阪神との３連戦はＶ率１００％に向け、負けられない。

　原監督が「首位攻防１回戦」とした、ゲーム差２・５で迎えた２日からの敵地での阪神戦は、雨天中止の１試合はあったが２連勝と力を見せた。「１試合、１試合の積み重ね。相手チームを見据えた戦いはまだ先になる」と指揮官は言うが、前半戦最後の伝統の一戦は、後半にもつながる大事な戦い。俊哉、智之、椋丞の「Ｔ（トラ）Ｔ（叩き）Ｒ（ローテーション）」で、制する。