そうした態度が、韓国企業全てに該当するか否かは定かではないが、少なくとも民間企業の中には、日本経済に対する一定のリスペクトがあることは確かだ。それでは、なぜ韓国政府は日本側に対して、そうした態度を取らないのだろう。
韓国の中小企業の経営者の1人に尋ねてみたところ、3つの理由を挙げた。1つは、韓国政府が政権基盤を安定させるために、日本を悪者にすることが有効な手法だと思っていることだ。韓国では伝統的に日本=侵略者のイメージがある程度定着しているため、国民の目を敵役である日本に向けさせることが容易だという。
2つ目は、日本を従軍慰安婦問題で叩いても、貿易など経済面で大きな障害にならないことがわかっていることだという。確かに、韓国政府がわが国を敵役することには釈然としない面はあるものの、それによって日韓の貿易量が著しく減少することは考えにくい。
韓国企業が日本からの資本財などの輸入を必要とする一方、わが国企業にとっても韓国はお得意さんであることに変わりはない。
中国へのすり寄りは米国へのアピール?
日本は惑わされずに「大人の付き合い」を
そして3つ目は、韓国政府が中国にすり寄り、わが国に敵対的なスタンスを見せることによって、米国に対して韓国の重要性を再認識させることが可能になる。朝鮮半島が中国、ロシア、米国にとって、重要な戦略的フロントラインであることは間違いない。韓国は、米国やわが国にとって中国や北朝鮮からの圧力を和らげる大切な緩衝帯なのである。
その韓国が日本から距離を置き、中国に近づくことは、米国にとっても好ましいことではない。実際に、韓国が親中国のスタンスを見せることによって、米国に再度韓国自身の重要性を認めさせることができるとの戦略なのかもしれない。
わが国とすれば、そうした韓国の戦略に惑わされることなく、主張すべきポイントはしっかり主張し、経済的に実を取れるところは確実に取っていけばよい。冷静で懸命な、大人の判断を行っていけばよい。相手の戦略に乗せられる必要はないはずだ。