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【第285回】 2013年7月9日
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真壁昭夫 [信州大学教授]

「中国すり寄り」は韓国にとって本当に得なのか?
日本と距離を置きたがる韓流外交の本心を見極めよ

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 そのため韓国企業は、わが国から生産のための機械や重要部材を輸入し、それを組み立てて世界市場に輸出しているという構図になっている。

 韓国企業の優位性には、迅速で効率的な経営や需要に適合する製品をつくり上げるデザイン力があると言われている。IT関連製品を例にとっても、すでにサムスンはアップルを追い抜くほどの実力を蓄積している。

 しかしそのサムスンの株価が、最近大きく下落している。サムスン自身が新しい革新的な製品を生み出していないことに加えて、ファーウェイやZTEといった低価格を武器にする中国メーカーから追い上げられていることがある。その構図は、かつてわが国企業が、韓国や台湾企業に追い上げられた状況とほとんど同じだ。

 つまり、製品の差別化が難しいコモディティと呼ばれる製品群では、価格が最も重要な競争の要因になり易い。そうなると、より賃金水準の低い諸国が有利になり、韓国企業は、現在中国企業などの急追を受けて、苦しい状況に追い込まれている。

 一方、わが国企業は組み立て型産業の分野で、競争力を維持することが難しかったものの、高い技術力を生かして生産工程で使う機械や重要部材で生き延びるビジネスモデルをつくることに成功した。1つの例を挙げると、トップの座がわが国から韓国に移行した造船分野では、すでに中国企業が韓国にとって代わっている。それを見ても、韓国経済の苦悩がわかる。

なぜ韓国政府は友好姿勢をとらないか?
中小企業経営者が教える「3つの理由」

 韓国企業の経営者と話をすると、韓国政府がわが国に対してとっているスタンスとはかなり違うと感じることが多い。ソウルで開催された会議に出席した折、韓国の経営者から、東京で開催されるある会議の内容について質問されたことがある。韓国の経営者が、日本国内でもほとんど知られていない会議に関心を持っていたことに驚いた。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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