リニアが従来の新幹線と大きく違うのは、国が巨額の資金を投入する国家プロジェクトの公共事業ではなく、JR東海が建設費を全額負担するという点だ。
東京−名古屋間の建設費はざっと5兆4千億円。また、当初は沿線自治体に全額負担を求めていた中間駅の建設費用(1カ所約350億円)についても全額自己負担する方針に切り替えた。このため、「建設費を少しでも安くしたい」というのがJR側の本音だ。切符の予約販売システムを導入することで、中間駅の切符売り場も廃し、コスト削減を徹底した。
リニア新幹線の建設費用をJR側が全額負担する手前、中部の沿線各自治体も強硬に反対意見を唱えにくいという事情があるようだ。
鉄道ファン向けに入場券をインターネットなどで事前販売するのかなど、決まっていないことも多い。
鉄道アナリストの川島令三氏は「悪天候や鳥などの衝突事故を考えると、コンクリートのフードで覆うのが合理的。写真撮影は難しいだろう」と指摘する。
(佐久間史信、中村智隆)
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