みなと新聞ダイジェスト | 4月5日(月) |
◆ホタテ輸出対策で基金
オホーツク海の14漁協(宗谷−ウトロ)は、1999年度ホタテ冷凍貝柱(玉冷)の対米輸出対策として、水揚げの中から最大で2億3千万円の基金を拠出する方向でまとまった。「玉冷の消流安定には計画的な輸出が必要」(佐藤清昭道漁連専務)で、基金によって米国相場との差額を補てん。98年度並み2千トンの輸出を確保する。玉冷の消流安定、価格安定を目指す。オホーツク産のホタテは、玉冷と干貝柱が仕向の中心。近年は干貝柱の生産量は変わらず、地撒(ま)きの増産分が玉冷になっている。
◆備文エンジニアリング、株式会社に改組
ニチモウ(株)の子会社である水産ねり製品加工機器メーカーの(有)備文エンジニアリング(広島県神辺町)は4月1日付で株式会社に改組、社名を株式会社ビブンに変更、ニチモウから出向していた本山茂社長が専任として事業の推進に当たる。(有)備文エンジニアリングは、債務超過となった(株)備文と(株)備文製作所の営業権譲渡の形でニチモウの100%出資子会社として、1998年8月に再スタートした。株式会社組織への改組は、体制の充実と国内外への一層の営業展開を図るためのもの。
◆道が衛生改善マニュアル
北海道水産林務部はこのほど、イクラの安全な製造方法の普及のため、衛生改善方法などを明記した「イクラ製造衛生改善マニュアル」を作製した。大規模な施設の改修や特別な機械を使わずに、どの工場でもできる日ごろの衛生管理方法を示している。1千部を製作。支庁を通じ道内のイクラ加工業者に配るほか、道漁連、道加工連にも配布。イクラの衛生管理徹底を図る。マニュアル作製は、昨年10月の補正予算に組み込まれた水産食品品質管理強化緊急対策の一環。
◆札幌市場、毛ガニは本格化へ
北海道各地で春漁がスタート。札幌中央卸売市場にも毛ガニ、マガレイ、ニシンなどが並び始めた。しかし、どれも入荷量が例年より少なめだが、これから本格化してこよう。オホーツク海に春を呼ぶ毛ガニかご漁が3月25日に解禁。流氷の影響でかご入れの遅れた産地が多く、4月に入っても同市場に日量400ケース(4キロ入り)程度の入荷だったが、3日に1300ケースとまとまった入荷があった。これからは千トン台の安定した搬入が続くものと関係者はみている。
◆仙台市「セルバ」に、"魚の北辰"がオープン
仙台市泉区の大型商業専門店ビルのセルバに、(株)仙台北辰水産が2日、「魚の北辰」をオープンした。初日は約4万人が訪れ終日、盛況を極めた。セルバは仙台市地下鉄泉中央駅前に立地。地上5階、地下2階で、店舗面積は1万678平方メートル。駐車台数215台。80の専門店が入居し、初年度売り上げは90億円を計画している。「魚の北辰」はこの日、店頭に幾重もの人垣ができ、好調な売り上げとなった。
◆カナダ抱卵ニシン漁、BC州は事実上切上げ
カナダのブリティッシュ・コロンビア(B・C)州の今期抱卵ニシン漁で唯一残っていたバンクーバー島西岸(WCVI)の刺網(漁獲枠1250ショートトン)が1日午前3時、オープンした。漁業省(DFO)は主漁場のバークレーサウンドの魚群が散ってしまったため、やや南のトフィノ水域をオープンしたが、同日午前10時現在、わずか80ショートトンと漁は振るわない。漁業者筋は「みるべき漁はない」とし、今年のBC州操業は事実上終了した。