事故機 着陸時に設定の目標速度を下回る7月9日 7時6分
    アメリカ・サンフランシスコの空港で韓国のアシアナ航空のボーイング777型機が着陸に失敗して炎上し、2人が死亡した事故で、調査に当たっているアメリカのNTSB=国家運輸安全委員会は、事故機が、着陸する際に設定していた速度を大幅に下回り、衝突した瞬間は、速度を上げようとしていたことを明らかにしました。
サンフランシスコの空港で6日、韓国のアシアナ航空のボーイング777型機が着陸に失敗して炎上した事故では、中国人の女子生徒2人が死亡し、180人以上がけがをするなどして病院に運ばれました。
事故機は、着陸に失敗する数秒前に失速を知らせる警報が鳴り、着陸をやり直そうとしていたことが明らかになっています。
これについて事故の調査に当たっているアメリカのNTSB=国家運輸安全委員会は、日本時間の9日午前3時半から記者会見を開き、フライトレコーダーを解析してこれまでに分かった状況を明らかにしました。
それによりますと、事故機は、通常、上空15メートルの地点で通過する滑走路の末端への進入時速を253キロに設定していました。
しかし実際の時速は、衝突する8秒前、上空37メートルの地点では207キロで、さらに、衝突の3秒前には190キロまで落ち、設定していた速度を大幅に下回っていたということです。
また、衝突した瞬間の時速は196キロで、エンジンは出力が上昇しており、事故機は速度を上げつつある状態だったとしています。
一方、今回の事故では、操縦は副操縦士が777型機に習熟するための訓練を兼ねて行っていたことが分かっています。
NTSBは、交代要員を含めた4人の操縦士から聞き取り調査を行っていることを明らかにしたうえで、今後、その結果を公表していく考えを示しました。
教官役の機長は経験不足か
着陸に失敗したアシアナ航空の旅客機では、当時、操縦していた副操縦士の隣でベテランの機長が教官役として支援していましたが、アシアナ航空は、8日夜、この機長が教官役を務めることができる資格を得たのが、事故のおよそ3週間前の、6月15日だったことを明らかにしました。
これに関連して韓国メディアは、機長が資格を得た後、実際に教官役を務めたのは今回が初めてだったと伝えており、韓国ではアシアナ航空の体制に問題があったのではないかと指摘する声も広がっています。
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