清水戦の後半、途中交代しストイコビッチ監督(左)と険しい表情で話す玉田=6日、豊田スタジアムで(今泉慶太撮影)
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名古屋グランパスのFW玉田圭司(33)が、次節の大宮戦に向けて自分の特長をもっと生かすようにチームに訴えた。6日の清水戦では8試合ぶりの白星でリーグ再開の好スタートを切ったが、玉田にとっては、まだまだ満足できる内容ではなかった。中3日で臨む首位とのアウェー戦に向け、「もっと自分が生きたい」と主張した。
誰もが歓喜の余韻に浸った豊田スタジアムのミックスゾーン、しかし玉田の表情は、晴れ晴れとしたものではなかった。前半9分の小川の先制点は玉田が右サイドで起点となり、ケネディに送ったクサビのパスから生まれた。それでも後半42分の交代時には「なぜだ!?」というジェスチャーを見せ、試合後も勝利の喜びを実感するような言葉は出てこなかった。
その理由は、玉田の特長が生きる攻撃が少なかったからだ。飛騨古川キャンプから取り組んできたサイドから押し上げて前線で数的有利をつくる新戦術はある程度の成果を見せた。
しかし攻撃の主な手段は闘莉王、増川のセンターバック2人から最前線のケネディ、そして裏に飛び出す藤本、小川へのロングボールばかり。小柄な玉田はボールに絡む回数が減り、「細かいパスでの組み立てを練習してきたけど、ちょっとプレッシャーがかかるJリーグになると、ロングを蹴ってしまう。もっと自分を生かしてほしい」と問題点を語った。
次節の大宮は、組織的な堅守と攻撃への素早い切り替えを武器に、首位を快走している。当然、そこに偶発性の高いロングボールを放り込めば、大きくスペースの空いた中盤を使われカウンターの危険性は高まる。「対策を立てて、どうやるのか考えないと。試合中にも話せるし、事前にチームとして話もできる」と、玉田は大宮対策の必要性を主張する。中盤がしっかりとボールを運んでくれればFWとしての仕事に集中できるだけに、「自分がもう少しゴール前での仕事をできれば。もっと決定的な仕事をしたいね」と切望していた。 (宮崎厚志)
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