DeNAは8日、横浜市内の球団事務所で池田純社長(37)、高田繁GM(67)ら球団幹部4人が、1軍コーチ8人とシーズン半ばとしては異例の個人面談を行った。DeNAが1軍コーチの面談をするのは初めて。球界では、コーチはオフの契約更改交渉の席で意見交換をするのが常だけに、真夏の面談は2年目の球団らしい新機軸だ。
面談は、横浜スタジアムでの練習指導と同時進行で行われ、各コーチが球団事務所に順次移動。短いコーチで40分、長くて1時間半にも及んだ。
球団側はまず、A4文書3枚にわたり記載した「コーチの基本的な姿勢」で7項目、「コーチの役割」8項目を提示。「選手の投球、打撃フォームを変える際は、複数のコーチで相談し合意の上変える」と安易なフォーム改造を禁止したり、「厳しく指導しコミュニケーションを密にとる」などという常識的な内容。さらに「選手指導するために選手より早く球場に来て、遅く帰るべきだ」という勤務時間にまで及んだ。その上で、コーチ側が選手の特長や性格など把握している現状を報告した。
あるコーチは「今でしょ、っていうのがはやり言葉であるけど、もうシーズンも半ばを過ぎている。なぜ今なのかはよく分からないが、いい話し合いになった」と話した。
この日はもうひとつの異例の意見聴取も。西武への移籍が決まった渡辺直が横浜スタジアムにあいさつに訪れると、中畑監督が意見を求めた。渡辺直は「森本、後藤、小池をよろしくお願いします。控え選手はベンチの空気をつくるのが大事」と同世代3人の昇格を売り込み。中畑監督も「オレもそう思う。そういう戦力が要るんだ」と検討を約束した。
昨年はダントツの最下位。今季は5位ながら、3位以下は混戦状態だ。コーチの個人面談に移籍選手からの意見聴取…発足2年目のDeNAらしく球界の常識にとらわれない方法で改革を目指す。 (後藤慎一)
この記事を印刷する