ベビー用品各社がインド市場の開拓を急ぐ。ピジョンは8日、首都近郊に工場を建設し2015年から哺乳瓶や吸い口を順次生産すると発表した。コンビもベビーカーの販売を検討する。中国市場に力を入れてきた各社は「依存し過ぎるのはリスクがある」(ユニ・チャーム)と判断した。日本の20倍超にあたる年間約2600万人の新生児が誕生する世界最大のベビー市場へのシフトを強める。
ピジョンの新工場は約10億円でニューデリー近郊の工業団地に整備する。20年を見込むフル生産時には哺乳瓶を年間200万個、哺乳瓶の吸い口部分を同2000万個生産する計画だ。吸い口の生産規模は日本の販売量の4倍になる。
約300ルピー(約500円)で販売していた輸入品を現地生産により約180ルピーに抑える。約100ルピーで売る現地企業との価格差を縮め販売攻勢をかける。大都市の商業施設だけでなく、中小の日用雑貨店でも販売。3年で取扱店舗を現在の3倍の1万店に増やす。
ユニ・チャームは今年度中にベビー用紙おむつの第2工場を南部に整備する予定だ。首都にある第1工場と離れた場所に生産拠点を設けることで、物流網が未成熟なインドで販売エリアを広げる。ベビーカーが強いコンビも「代理店契約を結び事業を展開する」(松浦弘昌社長)考え。
カミソリの貝印も16年度の稼働をめざしインドに自社工場を建設する。生活用品のほか、乳幼児用の爪切りなどの生産も検討。今春に首都近郊に約3万平方メートルの工場用地を取得した。
各社がインドを狙うのは出生数が世界で最も多い有力市場だからだ。年間出生数は業界推定で中国の約1.6倍にあたる約2600万人。ボストン・コンサルティング・グループの試算によると購買力のある富裕層と中間層は20年に1億4900万世帯と10年で2倍に膨らむ。
ピジョンは中国の哺乳瓶市場で約5割のシェアを持つ。後発ながら病院での商品展示や医師を通じた営業戦略で信頼感を高めて「安心」「安全」を前面に打ち出し、消費者に高いブランドイメージを浸透させてきた。
インドのベビー用品市場は米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など欧米系が先行。ピジョンは中国市場で実践した地域の医療機関と組んで商品の良さをアピールする手法などを活用して追い上げる。哺乳瓶では富裕層向け市場で5%程度にとどまるシェアを19年には20%まで引き上げる計画だ。
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