クリアワイヤ株主がスプリントによる完全子会社化を承認
7月8日(ブルームバーグ):米高速無線会社クリアワイヤ は8日開いた臨時株主総会で、米携帯電話3位スプリント ・ネクステルによる完全子会社化案を承認した。これによりスプリントは、無線通信サービスの競争力強化に不可欠な電波を取得できる。
クリアワイヤの8日発表によると、スプリントによる1株当たり5ドルの株式取得提案に、株数で82%の株主が賛成した。スプリントは6月20日、米衛星放送会社ディッシュ ・ネットワークが提示していた同4.40ドル案に対抗し、未保有分のクリアワイヤ株約50%を取得するため価格を引き上げていた。
クリアワイヤ保有の周波数帯を活用してスプリントはダウンロードの速度とサービス対象エリアを拡充できる。国内通信3位ソフトバンク は、この拡充を戦略上重要と位置付け、216億ドルに上るスプリント買収に踏み切った。2件の買収完了で孫正義ソフトバンク社長にとって、米携帯電話首位ベライゾン・ワイヤレスと同2位AT&Tへの追撃体制が整う。
エドワード・ジョーンズのアナリスト、デービッド・ヘーガー氏(セントルイス在勤)は、「スプリントがクリアワイヤの完全支配を望んだ最大の理由は、その保有する周波数帯だ」と説明。「両社の周波数帯を合わせると、実質的にAT&Tとベライゾンの合計を超える」と指摘した。
クリアワイヤは発表文で、同社とソフトバンクが9日に完全子会社化を完了させる計画を明らかにした。
スプリントの株主はソフトバンクによる買収を6月25日に承認。米連邦通信委員会(FCC)も7月5日に承認し、最後のハードルを越えていた。両社はこの日、買収が10日に完了すると発表した。
原題:Clearwire Investors Approve Sprint Bid After Six-MonthFight (1)(抜粋)
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更新日時: 2013/07/09 03:46 JST