【NQNニューヨーク=川内資子】8日の米株式相場は3日続伸した。ダウ工業株30種平均は前週末比88ドル85セント(0.6%)高の1万5224ドル69セントと、6月18日以来約3週間ぶりの高値で終えた。ポルトガルの財政再建を巡る警戒感の後退を背景とした欧州株式相場の上昇を好感した。
政局が混乱していたポルトガルで連立政権が維持される見込みとなった。同国の財政再建が遅れるとの懸念が後退し、欧州株式相場がほぼ全面高となった。米市場でも公益事業関連などを中心に幅広い銘柄に買いが入った。
前週末5日発表の6月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比で市場予想以上に増加した。米労働市場が順調に回復するとの観測も引き続き買いを促した。
ナスダック総合株価指数は前週末比5.45ポイント(0.2%)高の3484.83と5月30日以来の高値で終えた。
業種別S&P500種株価指数は全10種のうち「電気通信サービス」と「IT(情報技術)」を除く8種が上昇。「公益事業」や「生活必需品」、「一般消費財・サービス」の上昇が目立った。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億株(速報値)、ナスダック市場(同)は約14億6000万株だった。
IT大手のデルが上昇。マイケル・デル最高経営責任者(CEO)が投資ファンドとともに計画しているMBO(経営陣が参加する買収)をめぐり、有力な議決権行使助言会社が賛同するよう株主に推奨した。
米国で検索サービスを本格稼働すると発表した交流サイト(SNS)大手のフェイスブックも買われた。
アナリストが投資判断を引き上げたインターネット旅行会社のプライスライン・ドット・コムは大幅に上昇した。
一方、通信大手のスプリント・ネクステルが下落。スプリントを買収するソフトバンクの孫正義社長が日本経済新聞の取材に対し、スプリント・ネクステルの設備投資額を今後2年間で160億ドルとする方針を明らかにしたが、利益確定売りに押された。
アナリストの投資判断引き下げが伝わった半導体のインテルが下落。マイクロン・テクノロジーなど同業大手にも売りが広がった。
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