7月8日の米国マーケットサマリー:S&P500種3日続伸、決算注目
7月8日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.2873 1.2829 ドル/円 100.99 101.20 ユーロ/円 130.00 129.82 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 15,225.23 +89.39 +.6% S&P500種 1,640.49 +8.60 +.5% ナスダック総合指数 3,484.83 +5.45 +.2% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .36% -.04 米国債10年物 2.64% -.10 米国債30年物 3.64% -.07 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,234.90 +22.20 +1.83% 原油先物 (ドル/バレル) 102.80 -.42 -.41%◎NY外国為替市場
ニューヨーク外国為替市場ではドルが下落した。ドル指数 は3年ぶり高値から低下した。前週の上昇が行き過ぎ、ピッチも速過ぎたとの見方からドル売りが優勢になった。
リスク選好が強まり、欧米で株価が上昇したため、ユーロは対ドルで3営業日ぶりに上昇した。ドルは主要通貨の大半に対して下落。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は10日に経済政策について講演する。同日にFRBは6月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を公表する。
野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は「前週末以降の強いドルのトレンドの反転だ。資産購入の縮小を織り込む上で相場は行き過ぎた可能性がある」と指摘した。
ニューヨーク時間午後3時26分現在、ドル指数は前営業日比0.4%安の84.157。一時は84.588と2010年7月6日以来の高水準をつける場面もあった。
ユーロは対ドルで0.4%高の1ユーロ=1.2879ドル。対円ではほぼ変わらずの1ユーロ=129円98銭。ドルは対円で0.3%安の1ドル=100円93銭。一時は101円53銭と5月30日以来の高値水準に上げた。
◎米国株式市場米国株 は上昇。S&P500種株価指数は3営業日連続でプラス。引け後に予定されている米アルミ最大手、アルコアの決算発表で、4-6月期決算発表シーズンが開幕する。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前営業日比8.57ポイント(0.5%)上昇の1640.46。ダウ工業株30種平均は88.85ドル(0.6%)高の15224.69ドル。アルコアは1.3%高で通常取引を終えた。
ベル・エアー・インベストメント・アドバイザーズで70億ドル相当の資産運用に携わるゲーリー・フラム氏は「決算シーズンは4-6月期の実績よりも、市場が予想している年末にかけての業績改善が話題になるだろう」と指摘。「金融当局からの支援が減らされても景気は十分に持ちこたえられるとの楽観を市場は強めつつある。市場は少しずつ正常化しているようだ。米金融当局とその行動が市場の動きを左右していた異常な環境ではなくなってきた」と述べた。
S&P500種は先週、1.6%の値上がり。米金融当局による緩和縮小に対する不安が重しとなったものの、予想より良好な経済統計が株価を支えた。
◎米国債市場8日の米国債は3営業日ぶりに上昇。先週の利回り上昇は行き過ぎとの見方が広がった。
5日には利回りが2011年8月以来の大幅上昇を記録した。米雇用統計で雇用増が示され、米金融当局が年内に資産購入のペースを減速するとの見方につながった。ゴールドマン・サックス・グループは10年債利回りが2016年までに4%に達すると予測している。財務省は今週660億ドル相当の入札を実施する。
バークレイズのグローバル・インフレ連動調査責任者、マイケル・ポンド氏は「投資家は利回りの上昇を買いの好機ととらえている」と述べ、「今週にかけての売りは行き過ぎだった。統計内容は明るいが、経済の現況を考えると投資家は急いで動きすぎたのかもしれない」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後4時10分現在、10年債利回りは前営業日比10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.64%。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格は26/32上昇の92 11/32。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は反発。1週間ぶりの大幅高となった。今年に入って大きく下げていることを背景に現物買いが強まるとの観測が高まった。
金は第2四半期(4-6月)に23%下落。6月28日にはオンス当り一時1179.40ドルと、2010年8月2日以来の安値をつけた。ブラックロック・ワールド・マイニング・トラストのポートフォリオマネジャー、キャサリン・ロウ氏はインドでは祭日を控え宝飾品の需要が上向く見通しだと電子メールで8日指摘した。ドルは主要6通貨のバスケットに対して一時0.3%下げた。
T&Kフューチャーズ・アンド・オプションズ(フロリダ州ポートセントルーシー)のマイケル・スミス社長は電話インタビューで、「1200ドルを割り込んで以降、現物買いが入っている」と指摘。「ドルの軟調も金価格の支えになっている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前週末比1.8%高の1オンス=1234.90ドルで終了。中心限月としては1日以来の大幅上昇となった。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は反落。エジプトで騒乱状態が広がっているものの、スエズ運河の「安全性」は確保され、「正常」運航を維持しているとの当局発表が影響した。原油先物は先週末に1年2カ月ぶりの高値に上昇していた。
スエズ運河管理局の報道官、タレク・ハッサネイン氏は同運河を55隻が通過する予定だと述べた。これより先、エジプトでは強制退陣されたモルシ大統領の支持者グループと治安部隊が衝突し、少なくとも50人が死亡。これを受けて原油価格は104ドル台に乗せていた。中東産原油を欧州に輸送する要所であるスエズ運河とスエズ地中海パイプラインはエジプトが運営している。
みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレクター、ボブ・ヨーガー氏は「エジプトの政情不安はスエズ運河の運航に影響していない」と指摘。「運航に支障がないとのことで安堵が広がっている。いつ手を付けられないような状況に悪化し、原油供給が途絶する危険が生じるか分からないので、価格は大きくは下げないだろう」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前週末比8セント(0.08%)安の1バレル=103.14ドルで終了。一時は104.12ドルまで上昇し、2012年5月3日以来の高値を付けていた。
更新日時: 2013/07/09 05:56 JST