米国株:上昇、S&P500種3日続伸-決算シーズン開幕に注目
7月8日(ブルームバーグ):米国株 は上昇。S&P500種株価指数は3営業日連続でプラス。引け後に米アルミ最大手、アルコアの決算が発表され、4-6月期決算発表シーズンが開幕した。
アルコアの株価は1.4%高。4-6月期決算はアナリスト予想を上回り、株価は引け後の電子取引でさらに1.3%上昇した。コンピューターメーカー、デルも高い。議決権行使助言サービス会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズ(ISS)はデルの株主に対し、創業者マイケル・デル氏が提示した買収案を受け入れるべきだと勧告した。インターネット旅行代理店のプライスライン・ドットコムも大幅高。モルガン・スタンレーが同銘柄の投資判断を引き上げたことが買い材料。半導体のインテルは下落。アナリストによる投資判断引き下げが嫌気された。
S&P500種 株価指数は前営業日比8.57ポイント(0.5%)上昇の1640.46。ダウ工業株30種平均は88.85ドル(0.6%)高の15224.69ドルで引けた。
ベル・エアー・インベストメント・アドバイザーズで70億ドル相当の資産運用に携わるゲーリー・フラム氏は「決算シーズンは4-6月期の実績よりも、市場が予想している年末にかけての業績改善が話題になるだろう」と指摘。「金融当局からの支援が減らされても景気は十分に持ちこたえられるとの楽観を市場は強めつつある。市場は少しずつ正常化しているようだ。米金融当局とその行動が市場の動きを左右していた異常な環境ではなくなってきた」と述べた。
S&P500種は先週、1.6%の値上がり。米金融当局による緩和縮小に対する不安が重しとなったものの、予想より良好な経済統計が株価を支えた。
FOMC議事録とバーナンキ議長市場は10日に公表される連邦公開市場委員会(FOMC、6月開催)の議事録に注目している。同日にはバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演も予定されている。同議長は6月19日の記者会見で、景気が当局の予想通りに回復を続ければ、年内に債券購入の規模を縮小し始め、2014年半ばに終了させる可能性があると語った。この発言を受けて、S&P500種はその後の4営業日で5%近く下げた。
CMCマーケッツ(ロンドン)の市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏は「今週の関心はFOMC議事録とバーナンキ議長の発言に集中しそうだ」と電子メールで指摘。「緩和縮小のタイミングについて何らかの手がかりを与えるだろうか、あるいは数週間前のコメントを繰り返すだけだろうか」と問いかけた。
ブルームバーグがまとめたアナリスト1万1000人超の調査によると、S&P500種採用企業の4-6月期増益率見通しは1.8%。6か月前の8.7%から低下している。
アルコアシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は0.7%低下の14.78。VIXは約80%の確率でS&P500種と反対方向に動く。
ダウ工業株30種平均に採用されている企業で一番乗りに4-6月期決算を発表したアルコアは1.4%高の7.92ドル。自動車メーカーによるアルミ使用増加が影響し、アナリスト予想を上回る利益を計上した。
デルは3.1%高。ISSはマイケル・デル氏の案を支持する理由として、買収計画が報道される前の株価と比べて25.5%のプレミアム(上乗せ)となっているほか、全額現金の取引により買収額が確実なこと、さらにPC事業が悪化しつつある環境でリスクを移転できる点などを挙げた。
プライスラインは3.9%高。9営業日連続で上昇した。モルガン・スタンレーは同銘柄の投資判断をオーバーウエートに引き上げた。
インテル は3.6%下落。値下がり率はダウ採用銘柄としてもS&P500種銘柄としても最大となった。エバーコア・パートナーズはインテルの2013、および14年通期の利益見通しを下方修正し、投資判断をイコールウエートからアンダーウエートに引き下げた。
原題:U.S. Stocks Rise for 3rd Day as Earnings Fuel Optimism onGrowth(抜粋)
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更新日時: 2013/07/09 06:23 JST