7月8日の欧州マーケットサマリー:株反発、債券は軒並み上昇
7月8日(ブルームバーグ):欧州の為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はロンドン午後6時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.2867 1.2829 ドル/円 100.90 101.20 ユーロ/円 129.82 129.82 株 終値 前営業日比 変化率 ダウ欧州株600 292.37 +4.06 +1.4% 英FT100 6,450.07 +74.55 +1.2% 独DAX 7,968.54 +162.54 +2.1% 仏CAC40 3,823.83 +69.98 +1.9% 債券 直近利回り 前営業日比 独国債2年物 .09% -.02 独国債10年物 1.70% -.02 英国債10年物 2.48% .00 商品 直近値 前営業日比 変化率 金 現物午後値決め 1,235.25 +22.50 +1.82% 原油 北海ブレント 107.54 -.18 -.17%
◎欧州株:2週間ぶり大幅安から反発、景気見通しとポルトガル情勢で
8日の欧州株式 相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は前週末の約2週間ぶり大幅安から反発した。経済データが改善を示すとの観測に加え、ポルトガルの連立政権維持に向けた合意が手掛かり。
スイスの医薬品メーカー、ノバルティスは1.3%上昇。乾癬(かんせん)治療薬の臨床研究で全ての目標を満たしたことが買い材料。英銀ロイズ・バンキング・グループは3.8%高。英スタンダードチャータードの元会長が投資家グループを組織し、ロイズ株の一部取得を提案する可能性があると、事情に詳しい関係者1人が明らかにした。
ストックス欧州600指数 は前週末比1.4%高の292.37で終了。欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中銀)が4日ともに、政策金利は長期にわたり低水準にとどまると示唆したことから、同指数は先週1.2%上げた。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が米景気に持続的な改善が見られれば金融緩和の縮小は可能だと示唆した5月22日以降では、5.9%下落している。
ミラボー・セキュリティーズ(ジュネーブ)のバイスプレジデント、ジョン・プラサード氏は先週末発表の「予想を上回る米雇用者数がようやく朗報と判断されたようで、米株式相場は上昇。これを受けて、世界は投資家にとって再び明るくなった」とし、「実体経済が相場に一段と反映される段階に達した」と記した。
ポルトガルのコエリョ首相は6日夜、連立パートナーである民衆党のポルタス党首を副首相に起用することを明らかにした。連立政権維持と早期選挙を回避するための合意の一環。
8日の西欧市場では18カ国全てで主要株価指数が上昇。フランスのCAC40指数は1.9%、ドイツのDAX指数は2.1%それぞれ上げた。ポルトガルのPSI20指数は2.3%高となった。
原題:European Stocks Climb on SpeculationEconomic Data Will Improve(抜粋)
◎欧州債:軒並み上昇、ECB追加緩和期待で-英国債ほぼ変わらず
8日の欧州債相場は上昇した。ドイツの輸出と鉱工業生産が減少したことを背景に、欧州中央銀行(ECB)が金利上昇を抑制するために追加的な緩和策を講じるとの見方が強まった。
ドイツとフランスの国債はここ6営業日で5日目の上げ相場となった。長期にわたり政策金利は現行あるいはそれを下回る水準にとどまると、ECBのドラギ総裁があらためて表明したことが手掛かり。イタリアとギリシャ、ポルトガルの国債も買われた。ドイツがこの日実施した6カ月物証券入札で、落札利回りは4月以来で初のマイナスとなった。
KBCバンクの債券ストラテジスト、マティアス・ファンデルユフト氏は「こうした市場にとってECBは極めて力強い支援要因だ」とし、「スペインとイタリアなどの国債相場にとっても、中核国の国債が堅調となるのは基本的にプラスだ」と語った。
ロンドン時間午後4時28分現在、フランス10年債 利回りは前週末比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.26%。先月24日には2.53%と、昨年7月5日以来の高水準となっていた。同国債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格はこの日、0.35上げ95.56。
ドイツ10年債利回りは2bp下げ1.70%、同年限のベルギー国債利回りは4bp下げ2.57%となった。
ドラギ総裁は欧州議会で証言し、ECBが4日表明した緩和的な金融政策を維持するとの見通しは、「実体経済の幅広い弱さおよび勢いのないマネー動向の下、総じて弱いインフレが中期的に続くとの想定に基づいている」と説明した。
独経済技術省が8日発表した5月の鉱工業生産指数は前月比1%低下と、1月以来初のマイナスとなった。独連邦統計庁が発表した5月の輸出額 は前月比2.4%減少。エコノミストの予想中央値では0.1%増が見込まれていた。
英国債相場は前週末からほぼ変わらず。指標の10年債利回りは2.48%。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格は94.03となった。
原題:European Bonds Advance on Speculation ECBWill Increase Stimulus (抜粋)Pound Rises From Near 4-Month Low Versus Dollaron Data Optimism
更新日時: 2013/07/09 02:29 JST