アジア・太平洋株式サマリー:香港・印株反落、中国株は大幅安
7月8日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】
香港株式相場は3営業日ぶりに反落。中国のインフレ指標発表を9日に控えていることに加え、先週末発表の米非農業部門雇用者数が市場予想を超える伸びとなり米金融当局が年内に刺激策を縮小し始めるとの観測が強まったことが影響した。
時価総額で中国最大の産金会社、紫金鉱業 (2899 HK)は7%安。1-6月(上期)は減益になったもようだと明らかにした。不動産株も軟調。中国本土のショッピングモールに投資する恒隆地産(101 HK)は3.8%安。5日には4.1%上昇していた。米ナイキの靴を受託生産する裕元工業(集団、551 HK)は2.2%下げた。
ハンセン指数 は前週末比272.48ポイント(1.3%)安の20582.19で終了。先週4、5日の2日間合計の上昇率は1年ぶりの大きさだった。ハンセン中国企業株(H株 )指数は前週末比1.6%安の9063.30。
IGインベストメントのファンドマネジャー、ベンジャミン・タム氏(香港在勤)は「米金利が7-9月期末までに上昇するとの見方があるため、投資家はポートフォリオのポジション解消を進めている」と指摘。「今週は中国のマクロ経済指標が数多く発表される。市場参加者は4-6月期に景気が一段と減速したとの懸念を依然として抱いている」と述べた。
【中国株式市況】
中国株式相場は2週間ぶりの大幅安。エネルギー株と工業株が軟調だった。
石炭生産で中国最大手の中国神華能源(601088 CH)は3.6%安。年初来の値下がり率は38%となった。雲南錫業(000960 CH)は8.7%安。規律違反の疑いで会長が当局の調査を受けていることを明らかにした。
中国最大の産金会社、紫金鉱業 (601899 CH)は4.1%安と、6営業日ぶりの反落となった。1-6月(上期)が減益になったもようだと発表した。ゴールドマン・サックス・グループは金属相場の下落や売り上げ減少を挙げて、中国の鉱山会社の業績見通しを引き下げた。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数 は前週末比48.93ポイント(2.4%)安の1958.27。先週は週間で1.4%上昇した。上海、深圳両証取のA株に連動するCSI300指数は前週末比2.8%安の2163.62。
中原証券の李俊ストラテジスト(上海在勤)は「景気への信頼が欠けている。資金流出への懸念もある。株式にとってポジティブな材料は何もない」と述べた。
【インド株式市況】
インド株式 相場は3営業日ぶりに下落。先週発表された米雇用統計で雇用者数が予想以上に増えたことを背景に、米金融当局が刺激策を縮小するとの懸念が強まった。ルピーが対ドルで過去最安値を記録したことも売り材料となった。
ムンバイ市場でのS&Pセンセックス指数 は前週末比171.05ポイント(0.9%)安の19324.77で終了。世界最大の製油所を所有するリライアンス・インダストリーズ は1.5%安。住宅金融でインド最大手のハウジング・デベロップメント・ファイナンス(HDFC )も大きく下げた。ルピーはこの日、ドルに対し1ドル=61.2125ルピーまで売り込まれた。
米景気回復が持続した場合に債券購入を縮小する可能性を米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が示唆した5月22日以降、センセックス指数は3.7%下げている。
【オーストラリア株式市況】
S&P/ASX200指数は前週末比32.22ポイント(0.7%)安の4809.53。
【韓国株式市況】
韓国総合株価指数は前週末比16.46ポイント(0.9%)安の1816.85。
【台湾株式市況】
加権指数は前週末比115.48ポイント(1.4%)安の7886.34。
更新日時: 2013/07/08 20:53 JST