経済政策が大きな争点となっている参院選。昨年11月以降、アベノミクスへの期待感から株価は上昇しているが、参院選の結果を受けてどう変化するのかが問題だ。市場関係者は、衆参両院のねじれ状態の解消や安定政権の実現が株高の原動力になると見通しを語る。
国政選挙の際には、「政治銘柄」と呼ばれる特定の企業や、選挙に関連した銘柄が値上がりするなど個別の動きがあることは知られているが、相場全体の動きにはどんな法則があるのか。
「一般に選挙前の株価は上昇して、選挙後は下落することが多い」と指摘するのは、SMBCフレンド証券シニアストラテジストの松野利彦氏。
与党が選挙前に景気対策を打ち出すが、選挙が終わると材料出尽くしになることが多いためだ。また、野党が強い場合も、期待感が広がって事前の株価上昇を誘うが、それも選挙後に材料出尽くしとなることが多い。
「例外は選挙結果が既存政権の圧倒的な勝利となった場合。政局の安定を評価するためか、選挙後に株価が大きく上昇することもある」と松野氏。その場合も政権の安定が崩れたり、政策効果の織り込み完了となった時点でピークアウトするという。
参院選で市場関係者が注目するのは、衆参のねじれ状態が解消されるかどうかだ。6年前の参院選で前回の安倍政権が大敗して、ねじれが発生。リーマン・ショックや東日本大震災が起きたこともあるが、日経平均は1万8000円台から一時7000円を割り込む水準まで下落した。「1年ごとに首相が交代し、政策も何も決まらない状況が海外投資家に敬遠された」(外資系証券エコノミスト)
岩井コスモ証券投資調査部副部長の有沢正一氏は投資家の心理について、「現状は経済指標も、消費者や経営者のマインドも好転している。今後、ねじれが解消されて政策がスピード感を持って進められるのは大歓迎だ」と語る。