- ネット小説募集についての私見
- すごく今更なんですけど、知ってしまった以上は捨て置けないため、例のアレについてのお話です。
みなさん、フリーダムノベルの『ネット小説募集』(http://freedom-novel.com/index.php?cID=151)はご存じでしょうか? 特に通知もなく、秘かに公式HPに追加されていたので、未だに気がついていない人もいるでしょう。私自身、知ったのは最近のことです。
読む限りではフリーダムノベルの基本方針のようで、大別して以下の四つの柱があるようです。
1、編集作業は作家が自由にできる。
2、出版した本は必ず完結に持っていく。
3、改変作業締切日はなし。
4、1~3以外は、基本的に他の出版社と同じ契約内容。
ふむふむ、なるほど。これがフリーダムノベルの方針ですか。公表したということは、これからはこの条件で進んでいくのでしょう。
ただ、1について思うところがいくつかありましたので、少しまとめてみようと思います。
・編集者はいる? いらない?
1を要約すると、「編集者なんていらない」となるのですが……わ、私はこのようなこと、考えておりませんよ!? むしろ、稚拙な文章をブラッシュアップするためにも、また、自身の成長のためにも、編集者さんは必要不可欠だと考えております。
おそらく、他の作者様も同じだとは思うのですが、私は自分の小説が、自分一人の力で売り物になるとは考えておりません。他者、つまりは編集者の厳しい視線に鍛え上げられて、ようやく『おあし』がいただけるものになると考えております。
なので、好きにしていいよ、と言われましても困るというのが正直なところです。まあ、好きにしていいのなら、「従来通り、編集者さんと二人三脚で編集します」とでも言ってみましょうか。
・タダ働きは違法でございます。
ブラック企業の話題がホットで、サービス残業という言葉もよく耳にしますが、とどのつまりは「タダ働きは違法」ということです。形は違いますが、編集者の仕事を作家にさせるというのももちろん違法です。
どこも同じだと思いますが、作家がすべきことは基本的に『執筆と校正』です。基本的な出版契約書にもそのように書かれていますし、『執筆と校正』に対する報酬、つまりは印税についても明記されております。
イラストレーターさんやデザイナーさんとの打ち合わせ、他の細々とした打ち合わせなどはするとは思いますが、あくまでそれらはサブです。メインはやはり、『執筆と校正』。これに尽きます。
まあ、流石に「作家なので『執筆と校正』しかしません!」と言う人はいないでしょうが、「編集者としての仕事もやりますよ」と言う人もいないでしょう。それは、サブをメインに、『お手伝い』を『仕事』にするようなものです。
お手伝いの範疇を超え、『全て作家様の努力により本を作ってもらいます』、『作家様に好きに編集してもらう』と明言してしまうと、これは当然、編集者としての仕事をやってもらうということになります。
これはサービス残業とは形は異なりますが、どう考えてもタダ働きです。本来ならば人一人が必要である業務を無償で行わせるのですから、深く考えずとも違法労働であることが分かります。
仕事となると、当然、報酬が発生します。作家としての報酬は印税ですが、編集者としての報酬は出版社からのお給料です。これが払われるとはどこにも書かれておりませんので、おそらく、タダ働きになってしまうのでしょう。
・強要は可能? 不可能?
結論から言うと、作家は作家としての契約を結んでおりますので、編集者としての仕事の強要は不可能です。そのようなことをした場合、林檎プロモーション関係者様のお手手が後ろに回ってしまいます。
林檎プロモーションが契約を結ぶのは『編集者の仕事もする作家』であり、あくまで作家は作家である。よって、報酬は印税だけでいい。
と、いうのは通らないのが道理です。
編集者の仕事をさせる以上は、編集者としての賃金を払わなくてはならず、例外となり得るのは、本人が「ボランティアです」、「サービスです」、「金にならないのを承知でやっています」と主張した場合だけでしょう。
よくあるブラック企業はその辺りの抜け穴を利用しているのですが、フリーダムノベルの場合は、会社側が「タダ働きをさせるよ!」と明言しておりますので、余裕でレッドカードでしょう。
また、労働基準法により、労働に対する最低賃金なども定められておりますので、林檎プロモーション様が「作家に編集者としての仕事をさせる」と決めても、賃金を払わなければ成立しないわけです。
なので、林檎プロモーション様が「これからこの方針でいくね!」と申されましても、「え……それ、違法……」と呻く他ない訳です。
さてさて、ダラダラと長文を書いていたらこんな時間になってしまいましたが、要約いたしますと、私の主張は以下の三つです。
1、編集者は必要です。
2、タダ働きは違法です。
3、契約外の仕事の強要はできねえずら。
以上三点については、問題点、違法性が明らかなので、改善すべきだと私は考えております。基本姿勢を明確に打ち出すことは素晴らしいことだとは思うのですが、それが問題を孕んでいるならば、フリーダムノベルと関わる作家として、この先が心配でなりません。
なので、ただいま、偉い人や編集の青沼さんとお話中です。結果は追ってお知らせしようと思いますが、できる限り、改善に勤めようと思います。
それでは、お休みなさいませ(・ω・)ノシ
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2013年 07月09日 (火) 03時06分
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それに効率と言う意味でチェッカーを作者以外に設ける意味が存在します。
例えば誤字。書いた人間が3時間掛けて見つける誤字を、他の人間ならば5分掛からず発見できます。そもそも簡単に見つかるようなら、誤字脱字の入ったテキストをUPする人は一人も居ませんからね。